Windows 7の登場とSSD、フラッシュメモリ市場の今後

――SSD対応をうたうWindows 7が今年後半に登場するが、PC市場攻略についてSanDiskではどう考えているか?

Mehrotra氏 SSDはフラッシュメモリにとって新しいチャンスであり、これにわれわれは非常に興奮している。SSD、そして携帯向けストレージはフラッシュメモリの2大市場だが、SSDはまだ黎明期の段階だ。一方でSSDをストレージとして利用するには難しい課題があり、こうした状況でこそSanDiskの強みが発揮できる。SSDの発展にはパフォーマンスや信頼性が重要となるが、過去20年間のSanDiskの歴史で積み上げてきたコントローラ技術が役立つことになる。この強力なコントローラを搭載したMLCベースのSSDを今年後半より出荷していく計画だ。このMLCというのは、将来のSSD普及に重要な意味を持っている。「低コスト」というと語弊があるが、こうした製品が登場することで正しいコスト構造が出来上がり、メーカーは利益を出せるようになる。

――Windows Vista登場時にはネガティブな意見も多かったが、そうした普及における障害はないのか?

Mehrotra氏 実際のところ、SSD普及の一番のポイントは価格と容量だろう。それが改善することでどんどん普及が進んでいくと考えている。またフラッシュメモリ全体でみれば、SSDだけでなく携帯電話向けのストレージでもある。毎年世界で12億台の携帯が売られているが、そのうちの8億台にはメモリカードスロットがついている。いまの携帯は単なるコミュニケーションツールというだけでなく、マルチメディアファイルや写真、ビデオ機能にも使われ、一種のコンピューティング・プラットフォームの1つになっている。このようにコンピュータとしてのニーズが高まることで携帯1台1台の機能が増え、フラッシュメモリの需要が増えつつある。microSDはSanDiskの作った規格だが、これは現在携帯における独占的なプラットフォームとなっている。

――日本市場についてはどう考えるか?

Mehrotra氏 現在、(SanDiskブランドで直接小売りで販売する)リテールと(各メーカーに間接的に製品を卸す)OEMの両面戦略で世界展開を行っている。特に日本市場においてはリテールでNo.1のブランドだと自負している。OEMでも映像関連(デジカメ等)、ゲーム、携帯電話などで利用が進んでおり、SanDiskの中で日本市場は重要な位置を占めている。これは販売面だけでなく、東芝とのジョイントベンチャーなど技術面でのつながりも大きい。先ほど製造設備の東芝への売却の話をしたが、これもまた両社の関係が強いことの証明だ。