インターネットイニシアティブ(IIJ)は3月3日、自社ネットワーク内のプロキシサーバ環境でも、Microsoft 365やGoogle Workspaceなど特定のSaaSへの通信をローカルブレイクアウトできる新機能の提供を開始した。
DX推進に伴うSaaS利用の拡大で企業のネットワーク負荷が増し、通信遅延が課題となっている。IIJはこれまで、クラウド上でプロキシサーバを提供し、各種SaaSへの通信を最適な経路に振り分ける「IIJクラウドプロキシサービス」や、SaaSの宛先情報を自動収集し、SD-WANサービスと連携してローカルブレイクアウトを実現する「IIJクラウドナビゲーションデータベース」を提供してきた。しかし、自社ネットワーク内のプロキシサーバ利用時には対応が難しかった。
今回の新機能は、両サービスを連携させることで、SaaSの最新宛先情報を自動追跡し、プロキシ除外対象として更新されるPACファイルを提供するもの。
Microsoft 365やGoogle Workspace、Windows Updateなどの接続先情報(FQDNやIPアドレス)の変更を自動追跡し、最新の宛先に更新されるPACファイルを提供。プロキシを経由せず、特定のSaaSへの直接通信を可能にすることで、社内ネットワークの負荷を軽減する。さらに、ローカルブレイクアウトの対象を信頼できるSaaSに限定し、その他の通信はプロキシ経由とすることで、セキュリティを維持する。
これにより、自社でプロキシサーバを利用している場合でも、宛先更新作業の負担を軽減しながらローカルブレイクアウトを実現でき、プロキシ経由時のSaaS接続の課題を解決できるとしている。