今年春にデビューしたばかりのタブレット向けOS「Android 3.x "Honeycomb"」だが、Motorola XOOMを皮切りに採用製品が多数登場し、現在では最新バージョンのAndroid 3.2を搭載する製品も発表されつつある。もし実際に自分がこれら製品のユーザーであったならば、こうした最新OSへのアップグレードパスが用意されるかは気になるところだ。もちろん最新バージョンであるに越したことはないのだが、諸般の事情でなかなかアップデートが提供されないこともあるだろう。本稿ではHoneycombにおけるマイナーバージョンに着目し、その違いやメリットなどについて検証してみる。

HoneycombとタブレットUI、そしてIce Cream Sandwich

もともとスマートフォンなど小型デバイスでの利用を想定していたAndroidにおいて、昨今盛り上がっている「タブレット」というのは未知のカテゴリだ。なぜなら、UIの設計は広くて480×800ピクセル程度を想定しており、10インチタブレットなどで一般的な1280×800ピクセルといったWXGAクラスの解像度を想定していない。そのため、旧バージョン向けのアプリでは大画面を有効的に活用する設計をなされていないものも多く、「スマートフォンの画面が単に大きくなったもの」といった動作画面のものが散見される。これはAndroid OSそのものがもつUIやメニュー画面も例外ではなく、こうした大画面デバイスへの対応やタブレットに最適化されたUIへと対応すべく、Honeycombの開発が行われたという経緯がある。

Motorola XOOMとAndroid 3.1 "Honeycomb"

現在Googleは、Android 2.xをスマートフォン向け、Android 3.xをタブレット向けとして、明確に2系統に分けて提供を行っている。だが同社によれば、Androidの次期メジャーバージョンである「Android 4.0 "Ice Cream Sandwich"」では両者が統合され、完全に1つのバージョンとして提供が行われることになりそうだ。