【特集】
日本企業の海外法人におけるSAP導入プロジェクト。そのプロジェクトマネージャとして筆者が米国での生活を始めて約10カ月が経ちました。
SAPの特徴としてよく語られることかもしれませんが、SAPの最大の強みとはグローバルのベストプラクティスを実現したシステムであることを、実際にグローバルプロジェクトに参加することで強く実感できています。
本特集ではグローバルプロジェクトでの経験を通じて実感した、「SAPの強み」「SAPコンサルタント認定資格とキャリアアップ」「ゴールとしてのグローバルSAPコンサルタント」の3つの視点からお伝えします。
多くの強みをもつSAPシステムですが、本稿では「グローバル企業のベストプラクティス活用」「グローバル共通言語」の2点を取り上げてみます。
まずはSAPがグローバル企業のベストプラクティスとして、導入企業のモデルとして活用できることについてお話します。
日本国内でのSAP導入プロジェクトであれば、その導入に2年以上の長い期間をかける一大事業となってしまうことは珍しくありません。その背景としては、導入企業の有する独自の業務プロセスをSAPの持つ標準機能に適合させることができず、多くの複雑な追加機能(アドオン)を作りこむ必要が出てくるためです。結果としてグローバル企業のベストプラクティスであるSAPを効果的に活用できていない状況に陥りがちといえます。
一方、海外のSAP導入プロジェクトは、日本国内と比べると短期間で導入を果たします。極端な例だと、半年間で導入することも珍しくありません。海外のSAP導入を短期間で実現できるのは、海外法人では当たり前のように、導入企業独自の業務プロセスをSAPの持つ標準機能に適合させていくためです。
海外独自の法制度に伴う会計帳票や得意先からの要望による特定得意先向けの伝票など、社外に向けた帳票やフォームなどの出力(アウトプット)など、すべてを標準機能に適合させるには難しい部分もあります。ただし、社内で行う業務処理に使われるシステム処理(エンハンスメント)についてはそのほとんどを標準機能に適合させます。
この差はどこから来ているか、その解明はまたの機会に譲りますが、「SAPの持つ標準機能は、世界の数多くの企業の英知が結集されたベストプラクティスである」という認識がグローバルにおいて浸透しているようです。また、企業独自の業務プロセスに固執せず、"新しい業務プロセスに変えていこうとする変革の意識"が海外企業ではより強いと肌で感じています。
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