今週は「相互参照」という機能の使い方を紹介する。この機能は「図表番号」と合わせて使用するもので、本文に図1、図2、図3……といった参照文字を入力する機能となる。少し仕組みが複雑であるが、一度覚えてしまえば便利に活用できるので、気になる方は試してみるとよいだろう。そのほか、「図表番号」や「相互参照」の番号を正しい値に更新する方法も紹介しておこう。

相互参照の挿入

前回の連載で紹介した「図表番号」を利用している場合は、本文に記す図1、図2、図3……などの文字を「相互参照」という機能を使って入力するのが基本となる。まずは、本文に「相互参照」を挿入する時の操作手順から説明していこう。

画像を参照してもらうことを示す「図3」などの文字を文中に記す時は、その位置にカーソルを移動し、「参考資料」タブにある「相互参照」をクリックする。

「相互参照」をクリック

すると、以下の図のような設定画面が表示される。ここでは、最初に「参照する項目」の指定を行う。この項目は「図表番号」のラベルに対応している。前回の連載のように「図」のラベルでキャプションを作成した場合は、この項目にも「図」を選択すればよい。

参照する項目(ラベル)の選択

ラベルを選択すると「作成済みの図表番号」(キャプション)が一覧表示される。この中から参照する「図表番号」を選択する。

図表番号の選択

続いて「相互参照」の表示方法を指定する、「図3」のようにラベルと番号だけを表示する場合は、「番号とラベルのみ」を選択すればよい。

表示方法の選択

最後に「挿入」ボタンをクリックすると、カーソルがあった位置に「相互参照」が挿入される。今回の例の場合、「図3」という文字が文中に挿入されることになる。

カーソル位置に「相互参照」が挿入される

以上で「相互参照」を挿入する操作は完了。「閉じる」ボタンをクリックして「相互参照」の設定画面を閉じておこう。

「相互参照」の設定画面を閉じる

このように「相互参照」という機能を使って、図1、図2、図3……などの文字を入力することも可能だ。普通に「図3」と文字を入力した方が簡単と思うかもしれないが、「相互参照」を使用することには、それなりの意味がある。続いては「相互参照」が便利な理由について説明していこう。

「図表番号」と「相互参照」の更新

文書を編集している途中で、画像の追加や削除を行いたくなるケースもあるだろう。このとき、各画像に図1、図2、図3……といった番号を付けていた場合は、画像の追加/削除に合わせて「図○」の番号も修正しなければならない。

例えば、文書の先頭から2番目にある画像(図2)を削除するケースを考えてみよう。

図2の「画像」と「図表番号」を削除

この場合、もともと「図3」であった画像は「図2」に修正する必要がある。同様に、「図4」→「図3」、「図5」→「図4」……といった修正も行わなければいけない。これらの番号を自分の手で入力していた場合は、文書の最後まで延々と番号の修正を繰り返す羽目になる。これはかなり面倒な作業となるはずだ。

一方、「図表番号」と「相互参照」を使って図1、図2、図3などの文字を入力していた場合はどうかというと……、残念ながら番号の修正は行われていない。

「図表番号」や「相互参照」は自動更新されない

少々残念な結果ではあるが、すぐに解決できる問題なので安心していただきたい。Wordの「図表番号」や「相互参照」は、番号が自動更新されない仕組みになっている。正しい番号に直すには、以下の手順で更新作業を行う必要がある。

まずは「Ctrl」+「A」キーを押して文書全体を選択する。続いて、選択範囲内を右クリックし、「フィールド更新」を選択する。すると、文書の先頭から順番に1、2、3…と番号が振り直され、正しい番号に一括修正することができる。

「フィールド更新」を行う操作

正しい番号に更新される

このように、「図表番号」と「相互参照」を使っている場合でも、手動での更新作業が必要となる。とはいえ、ほんの数秒で完了できる操作であり、番号を1つひとつ自分の手で修正していく場合と比べれば、極めて簡単な作業といえる。

「図表番号」と「相互参照」は、機能の全体像を把握するまでに多少の時間を要するかもしれない。しかし、使い方さえ覚えてしまえば、大変便利な機能となる。画像の数が多い文書を作成する場合に備えて、それぞれの機能の使い方をよく確認しておくとよいだろう。