今週は「ヘッダー」と「フッター」について紹介する。これらの領域は、文書名や作成日、ページ番号などを記載しておく領域として使用するのが一般的だ。印刷した文書を整理する時に役立つので、その編集方法を覚えておくとよいだろう。

「ヘッダー」「フッター」とは?

Word文書において、各ページの上部にある余白部分は「ヘッダー」、各ページの下部にある余白部分は「フッター」と呼ばれている。これらの領域は、文書名や作成者、作成日、ページ番号などを記しておく領域として使用するのが一般的だ。

ヘッダーとフッター

例えば、ページ数が多い文書を作成する場合は、フッターに「ページ番号」を記載しておくと文書を扱いやすくなる。目次から目的のページを探し出す場合はもちろん、印刷した文書を整頓したり、文書内の一部分だけを印刷したりする場合にもページ番号が重宝する。そのほか、文書の作成日時を記載しておけば、印刷物の新旧を見分ける場合にも役立つし、デザインの一部としてヘッダー・フッターを利用することも可能である。ぜひ、使い方を覚えておくとよいだろう。

「ヘッダー」コマンドと「フッター」コマンド

Wordには、あらかじめデザインされたヘッダー・フッターが用意されている。これらを利用する時は「挿入」タブを選択し、「ヘッダー」または「フッター」をクリックする。すると以下の図のような一覧が表示されるので、この中から好きなデザインのヘッダー・フッターを選択すればよい。

「ヘッダー」コマンドと「フッター」コマンド

例えば、「モーション(偶数ページ)」のヘッダーを選ぶと、以下の図のようなヘッダーが各ページに作成される。[文書のタイトル]のように[ ]で囲まれた表示がある場合は、その部分をクリックして文書名などを入力すればよい。

「ヘッダー」コマンドを使って作成したヘッダー

上に示したヘッダーには「モーション(偶数ページ)」という名前が付けられているが、このヘッダーは偶数ページだけでなく、すべてのページに作成される。ヘッダーやフッターは「全ページに同じ内容が記載される」と考えるのが基本だ。間違えないように注意すること。

なお、奇数ページと偶数ページでヘッダー・フッターを分けることも可能である。この場合は、ヘッダー/フッター ツールの「デザイン」タブで「奇数/偶数ページ別指定」の項目をONにしておく必要がある。合わせて覚えておくとよいだろう。

ヘッダー・フッターの文字入力

あらかじめ用意されているヘッダー・フッターを利用するのではなく、自分で文字を入力してヘッダー・フッターを作成することも可能だ。もちろん、以下に示した手順で操作した場合も、全ページに同じ内容のヘッダー・フッターが作成される。

まずは、ヘッダー領域の編集方法から紹介していこう。ヘッダー領域を編集する時は、各ページの上部にある余白をダブルクリックする。すると、ヘッダー領域内にカーソルが移動し、ヘッダー領域に文字を入力できるようになる。

ヘッダー領域をダブルクリック

もちろん、入力した文字の書式を変更することも可能だ。この場合は、「ホーム」タブで書式を指定すればよい。この操作手順は「通常の文字」の書式を指定する場合と同じなので、詳しく説明しなくても操作を完了できるだろう。

ヘッダーの文字入力と書式指定

文字を左/中央/右に振り分けて配置したい場合はタブを利用する。ヘッダー・フッターの領域には、ページ中央やページ右端に文字を揃えるタブ位置が指定されている。このため、「Tab」キーを押してタブ文字を挿入することで文字の位置を調整できる。タブ文字を1つ入力した場合はページ中央に、タブ文字を2つ入力した場合はページ右端に文字を揃えて配置することができる(タブについては本連載の第14~15回を参照)。

タブを使った文字配置

フッターを編集する時も、同様の手順で操作を進めていけばよい。各ページの下部にある余白をダブルクリックすると、フッター領域内にカーソルが移動する。

フッターの編集

あとは、フッターに記載する文字を入力して書式を指定するだけ。これで全ページに同じ内容のフッターを作成できる。

ページ番号の入力

ページ数の多い文書では、フッターに「ページ番号」を記載しておくと文書を整頓しやすくなる。続いては、ヘッダー・フッターに「ページ番号」を入力する方法を紹介しておこう。

ヘッダーまたはフッターをダブルクリックすると、ヘッダー/フッター ツールの「デザイン」タブを利用できるようになる。

ヘッダー/フッター ツールの「デザイン」タブ

ヘッダー・フッターにページ番号を入力するときは、この「デザイン」タブにある「ページ番号」コマンドを利用する。ヘッダーにページ番号を入力するときは「ページの上部」、フッターにページ番号を入力するときは「ページの下部」の中から好きなデザインを選択すればよい。

ページ番号の挿入

さらに、ページ番号の記述をカスタマイズすることも可能だ。この場合は、「ページ番号」の前後に適当な文字(記号)を入力して装飾すればよい。

ページ番号の前後に飾り文字を入力

なお、キーボードを使ってヘッダー・フッターに「ページ番号」を手入力した場合は、すべてのページに同じ番号(入力した数字)が表示されてしまう。これではページ番号としての意味をなさない。

前述したように、ヘッダー・フッターは全ページに同じ内容が記載される仕組みになっている。1、2、3、…という具合に各ページの数値を増加させていくには、「ページ番号」コマンドを利用しなければならない。間違えないように注意しておこう。

日付や時刻の入力

ヘッダー・フッターに日付や時刻を自動入力するコマンドも用意されている。この機能を利用する時は、日時を記載する位置にカーソルを移動し、ヘッダー/フッター ツールの「デザイン」タブにある「日付と時刻」をクリックする。

カーソルを移動し、「日付と時刻」をクリック

すると、以下の図のような設定画面が表示される。ここでは「言語」と「カレンダーの種類」を指定してから、日時の表示形式を選択すればよい。このとき、「自動的に更新する」をONにしておくと、Wordを開くたびに日付や時刻を「現在の日時」に更新できるようになる。

表示形式の選択

文書の作成途中で何回も印刷を行う場合は、この機能を使って常に最新の日時に更新しておくとよいだろう。あとで印刷物を整理するときに、文書の新旧を簡単に見分けられるようになる。意外と便利に活用できるので、こちらも使い方を確認しておくとよい。

ヘッダー・フッターの位置の指定

最後に、ヘッダー・フッターの位置を調整する方法を紹介しておこう。ヘッダー・フッターの位置を上下に移動させたい場合は、ヘッダー/フッター ツールの「デザイン」タブを選択し、以下の項目を操作すればよい。

ヘッダー・フッターの位置の指定

上の項目はページ上端からヘッダーまでの距離、下の項目はページ下端からフッターまでの距離を示している。これらの数値を変更することで、ヘッダー・フッターの上下位置を調整することが可能となる。合わせて覚えておくとよいだろう。