【連載】
Wordには「アウトラインレベル」という段落書式が用意されている。この書式は、文書の見た目を変更するものではないが、何ページにも及ぶ長い文書を作成するときには非常に重要な存在となる。今週は「アウトラインレベル」について紹介しておこう。
アウトラインレベルは段落書式の1つであるが、文字の見た目や配置を指定するものではない。アウトラインレベルは、各々の段落が「どのような役割」を担っているかを示すための書式となる。もっと具体的に言うと、各段落が「見出し」であるか、それとも「本文」であるかを示すのがアウトラインレベルとなる。
通常、「見出し」とする段落では、文字サイズを大きくしたり、文字を太字にしたりするのが一般的であるが、これらの書式指定は単に文字の見た目を変更するものであって、各段落の役割を示すものではない。Wordの立場からすると、『たとえ文字サイズが大きくても、その段落が見出しであるかを勝手に判断できない……』という訳である。そこで、各段落の役割をアウトラインレベルで明確に示してやる必要がある。
アウトラインレベルには「本文」と「レベル1」~「レベル9」の10種類の値が用意されており、その初期値はすべて「本文」が指定されている。このため、特に意識することなく文書を作成していくと、すべての段落が「本文」として扱われることになる。このような状態では、Wordに用意されている様々な機能を十分に活用できない可能性がある。
Wordに用意されている様々な機能を有効活用するには、「見出し」となる段落のアウトラインレベルを変更しておく必要がある。Wordに「見出し」として扱ってもらうためには、アウトラインレベルに「レベル1」~「レベル9」を指定しなければならない。これらは数字が小さい値ほど上位の「見出し」として扱われる仕組みになっている。
たとえば、「第○章-第○節-第○項」といった階層構造で文書を作成する場合は、「第○章」の段落に「レベル1」、「第○節」の段落に「レベル2」、「第○項」の段落に「レベル3」…という具合に、アウトラインレベルを指定することになる。
では、アウトラインレベルの指定方法を説明していこう。まずは「見出し」となる段落を選択し、「ホーム」タブで「段落」のダイアログボックス起動ツールをクリックする。
「段落」ダイアログが表示されるので、階層構造に合わせて「アウトラインレベル」を「レベル1」~「レベル9」のいずれかに変更し、「OK」ボタンをクリックする。「見出し」のレベルは1~9まで用意されているが、必ずしも「レベル9」まで使う必然性はない。上位の「見出し」から順番に1、2、3、…のレベルを指定していけばよい。今回の例の場合、「1.1 世界遺産について」の段落は2階層目の「見出し」となるため、「レベル2」を指定すればよいことになる。
以上で、アウトラインレベルの変更は完了となる。このような操作をすべての「見出し」について行うと、Wordが文書の階層構造を正しく認識してくれるようになる。なお、アウトラインレベルは見た目を変更する書式ではないため、書式指定を完了しても文書の表示に変化は現れない。
このため、Wordの画面を見ただけでは、どの段落でアウトラインレベルが変更されているかを判断できない。『変更するのを忘れていた…』ということにならないように、よく注意しながら作業を進めていく必要があるだろう。
先ほども述べたように、アウトラインレベルの指定は画面上で手軽に確認することができない。よって、アウトラインレベルの変更を忘れてしまう可能性も大いに考えられる。このようなミスに備えて、アウトラインレベルはスタイルで指定しておくのが基本となる(スタイルについては14~16回の連載を参照)。
これからスタイルを作成する場合は、あらかじめアウトラインレベルを指定しておき、その段落を選択した状態でスタイルの作成を行えばよい。すでにスタイルが作成されている場合は、以下のように操作すると各スタイルのアウトラインレベルを変更できる。
まずは「ホーム」タブで「見出し」となるスタイルを右クリックし、「変更」を選択する。「スタイルの変更」ダイアログが表示されたら、「書式」ボタンをクリックして「段落」を選択する。
「段落」ダイアログが表示されるので、「アウトラインレベル」の値を適切なものに変更する。ここでの操作は先ほど解説した手順と同じである。その後、「OK」ボタンをクリックしていくと、スタイルのアウトラインレベルを変更できる。
これで、同じスタイルが適用されている段落のアウトラインレベルを一括変更することができる。これから入力する「見出し」についても、アウトラインレベルをそのつど変更していく必要はない。スタイルを適用したときに、文字の書式などと一緒にアウトラインレベルも自動変更されるはずだ。
このようにスタイルを作成・変更しておくと、特に意識しなくても適切なアウトラインレベルを指定できるようになる。スタイルを使って長文を作成する場合は、ぜひ覚えておくとよいだろう。
さて、今回はアウトラインレベルの指定方法を紹介してきたが、これだけの解説では『いったい何の役に立つの…?』という方が大半であろう。そこで、来週以降はアウトラインレベルを利用して、文書を階層的に管理したり、目次を自動作成したりする方法について紹介していこう。
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