【連載】

Wordはなぜ思い通りにならないのか?

2 Wordにおける「1字」「1行」とは

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Wordで文字編集をするときに重要な役割を果たすのが、「1字」や「1行」などの概念である。「1字」や「1行」の用語そのものは特に難しくはないが、『具体的にどんなサイズを表しているのか?』は、かなり曖昧である。今回は、Wordの文字編集の基本となる単位、ならびにグリッド線の表示方法について紹介していこう。

Wordで段落の書式を変更しようとしたときに、「1字」や「1行」といった単位に遭遇することがある。たとえば、行間や段落前後の間隔は「○行」といった単位で書式を指定するし、インデントは「○字」という単位で書式指定を行う。

段落書式を指定する「段落」ダイアログ。インデントは「○字」、行間は「○行」といった単位で指定する

これらの単位は、それぞれ以下のサイズを示すものとなる。

・1字 ……… 1文字分の「幅」
・1行 ……… 1行分の「高さ」

特に難しい点はなさそうに見えるが、よくよく考えると、これらはかなり曖昧な単位といえる。「1文字分の幅」は各々の文字サイズ(フォントサイズ)に応じて変化していくものであるし、「1行分の高さ」も行間を自由に変更できるので、一概に何cm(何ポイント)とは断定できない。要するに、一貫性がないのである。

では、「1字」や「1行」は何を表しているのだろうか? いま現在、編集している文字の「幅」や「高さ」と考える方もいるかもしれないが、このような考えはトラブルを招く原因となるので注意されたい。

実は、Wordには標準の「文字サイズ」と「行間」というものが定められており、「1字」や「1行」はこれを基準にした単位となる。初期設定では「1字」=10.5pt、「1行」=18ptに設定されている。仮に20ptの文字を編集している場合であっても、「1字」は10.5ptであり、「1行」は18ptとなる。このようなルールを理解しておくことも、Wordを使いこなすための重要な基本といえるだろう。

グリッド線を表示して「1行」の行間を確認する

前述したように、Wordにおける「1字」や「1行」の概念は少し紛らわしい。これを視覚的に分かりやすく示してくれるのがグリッド線だ。「1行」の間隔を示す行グリッド線は、「表示」タブにある「グリッド線」のチェックボックスをONにすると表示できる。

「表示」タブにある「グリッド線」のチェックボックスをONにすると…

「1行」の行間を示す行グリッド線が表示される

この状態で文章を入力していくと、文字サイズと行間の関係が把握しやすくなる。以下は、8pt、10.5pt、12pt、14pt、16ptの文字を入力した例であるが、14ptの文字から急に行間が大きくなっているのを確認できると思う。

文字サイズの行間の関係

このような結果になるのは、Wordが文字を「1行」単位で配置する仕組みになっていることが原因だ。初期設定では、13.5pt以下の文字は「1行」(18pt)の行間に収まるが、14pt以上の文字は「1行」に収まらなくなるため自動的に「2行」の行間が確保される。このため、14ptの文字サイズから急に行間が大きくなってしまうのだ。

14ptの文字は「1行」(18pt)より小さいので、「1行」の行間に収まりそうな気もするが、実際にはそうならない。Wordでは文字の上下に余白が確保されるため、「1行」の3/4程度の文字サイズまでしか「1行」の行間に収まらない。それ以上の文字は「2行」「3行」…の行間で配置されてる仕組みになっている。これを「1行」の行間に収めるには、行間の設定を自分で変更しなければならない。

このように、グリッド線を表示すると、文字と行間の関係を認識しやすくなる。ほかにもグリッド線が活用できる場面は多々あるので、必ず表示方法を覚えておこう。

文字グリッド線を表示するには

「1字」の単位を示す文字グリッド線を表示することも可能だ。この場合は、「ページレイアウト」タブで「配置」→「グリッド線の設定」を選択する。

すると「グリッド線」ダイアログが表示されるので、まずは「文字グリッドの間隔」に「1字」を指定する。続いて、「文字グリッド線を表示する間隔」をチェックし、その右のボックスに「1」が指定されているのを確認してから「OK」ボタンをクリックする。

「ページレイアウト」タブにある「配置」から「グリッド線の設定」を選択する

「1字」ごとの文字グリッド線を表示するときは、このように設定を変更する

これで「1字」単位の文字グリッド線を表示することができる。試しに、標準の文字サイズ(10.5pt)で文字を入力してみるとよい。各文字がグリッド線に沿って配置されているのを確認できると思う。

文字グリッド線を表示した様子

文字グリッド線は、文字の配置を確認する場合などに利用できるほか、複数の画像を揃えて配置する場合にも活用できる。意外と利用する機会は多いので、正しい表示方法を覚えておくとよいだろう。

なお「グリッド線の設定」ダイアログには、行グリッドの設定を変更する項目も用意されている。この初期設定は「行グリッド線の間隔」が「0.5行」で、「行グリッド線を表示する間隔」が「2」になっている。つまり、0.5行×2=1行という設定になり、特に設定を変更しなくても「1行」単位で行グリッド線を表示できることになる。

等幅フォントとプロポーショナルフォント

フォントは、大きく分けて「等幅フォント」と「プロポーショナルフォント」の2種類がある。「等幅フォント」は、それぞれの文字(全角文字)が正方形の比率になるように設計されたフォントで、各文字の横幅は一定である。一方、「プロポーショナルフォント」は、文字の形状に応じて横幅が異なるフォントとなる。このため「プロポーショナルフォント」で入力した文字は、たとえ標準の文字サイズ(10.5pt)であっても、文字グリッド線からズレて配置される場合があることに注意する必要がある。
フォントの種類を見分けるときは、その名前に注目するとよい。「MS P明朝」や「HGPゴシックE」のようにフォント名に「P」が付くフォントはプロポーショナルフォントとなる。これに対して「MS 明朝」や「HGゴシックE」のように「P」が付かないフォントは等幅フォントとなる。なお、「HGSゴシックE」のように「S」が付くフォントは縦書き用のフォントで、半角文字はプロポーショナルフォント、全角文字は等幅フォントとなる。

等幅フォントの例(MS ゴシック)。標準の文字サイズで入力すると、文字グリッド線に沿って文字が配置される

プロポーショナルフォントの例(MSP ゴシック)。各文字の横幅が異なるため、文字グリッド線に沿って配置されるとは限らない

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インデックス

連載目次
第37回 (最終回) なぜWordを思い通りにしたいのか?
第36回 Wordで使用する単位
第35回 アイテムの整列
第34回 段組みとセクション
第33回 変更履歴の活用
第32回 文書の印刷方法を工夫する
第31回 文書に貼り付けた画像の解像度
第30回 Word文書から画像ファイルを抽出
第29回 Word文書をPDF形式に変換する
第28回 文章の自動校正機能で単純な入力ミスをチェック
第27回 文字選択のテクニック
第26回 Officeテンプレートの活用
第25回 テンプレートの作成
第24回 改ページ位置の自動修正
第23回 見出し番号の自動入力
第22回 箇条書きとリストのレベル
第21回 目次の作成
第20回 ナビゲーションウィンドウの活用
第19回 アウトラインレベルの指定
第18回 Excelデータを利用した宛名印刷
第17回 差し込み印刷による年賀状宛名面の印刷
第16回 スタイルの表示を変更する
第15回 スタイルのカスタマイズ
第14回 スタイルの作成
第13回 第13回 文字と段落の書式の応用例-2
第12回 文字と段落の書式の応用例-1
第11回 文字の上下位置を調整する(上付き/下付き文字)
第10回 文字幅と文字間隔の指定
第9回 段落罫線を使いこなす
第8回 ヘッダーとフッター
第7回 タブとリーダーの活用
第6回 インデントとぶら下げ
第5回 箇条書きをマスターする
第4回 行間を自由自在に設定する
第3回 標準の文字サイズと文字数/行数
第2回 Wordにおける「1字」「1行」とは
第1回 画像を好きな場所に配置できない

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