意外と見落とされがちな話なのだが、マイクロソフトのWebサイトは製品情報・サポート情報・製品の活用に関する情報など、さまざまな情報が詰まった「宝の山」だ。そうした中でも特に、企業でシステム管理などの業務を担当しているユーザーにとって利用価値が高いのが、「TechNet」だろう。

そこで、このTechNetが具体的にどのようなシーンで役に立つのか、架空のストーリーを使って紹介しようというのが本連載の趣旨だ。まずは「仮想化」をテーマにして、TechNetを駆使して製品に対する理解を深めていく過程を見ていこう。

TechNetという便利なものがあるんだって?

鈴木一郎君が、勤務する会社のシステム部門で仕事をするようになって半年ほど経ったある日、上司に呼ばれた。

「うちでも御多分に漏れず、サーバの台数がかなり多くなってきている。ものによっては負荷が少なくて能力を無駄にしているものもあるかも知れない。ついては仮想化によって合理化できないかどうか検討してみたいので、調べて報告してもらいたい」

鈴木一郎君も、仮想化という言葉ぐらいは聞いたことがある。「そういえば、マイクロソフトのVirtual PCが無償になったとき、試しにダウンロードしてみたけれど、それっきりになっていたなあ…」という程度の認識しかなかったのだが、会社のサーバが相手となると、きちんと情報を集めて整理しないと話にならない。

「さて、どこから手をつけたものか…」と考え込んでいたところ、先輩が「それなら、マイクロソフトのTechNetというものがある。いろいろ参考になる資料があるんじゃないかな」と教えてもらった。

そこで検索サイト「bing」にキーワード「TechNet」を入力して検索してみたところ、マイクロソフトのWebサイトに「TechNet Online」というコンテンツがあることが分かった。

このように、検索サイトでキーワードに「TechNet」と入力すればTechNet Onlineにたどり着けるが、マイクロソフトのWebサイトからアクセスする場合、[お客様別サイト]以下の[ITプロフェッショナル]以下にある[TechNet Online]をクリックするとアクセスできるようになっている。

[お客様別サイト]から[ITプロフェッショナル]以下の[TechNet Online]をクリックすると、TechNet Onlineにアクセスできる

そして、TechNet Onlineで画面左側の[製品とテクノロジ]以下に並んでいる項目一覧の中から[仮想化]という項目を見つけたので、そこからリンクをたどることで、「仮想化TechCenter」にたどり着いた。TechNet Onlineでは、製品分野ごとに「TechCenter」というものがあるらしい。

製品とテクノロジ]以下の[仮想化]をクリックすると、仮想化関連の情報がまとめられた「仮想化TechCenter」にアクセスできる

とりあえず、画面中央に並んでいる「TechNet注目トピック」の一覧を見てみた。ところがこれは、仮想化のなんたるかについて調べたい人よりも、すでに使い込んでいるユーザーが対象になっている様子。一方、画面の右上には[製品ドキュメント]というリンクがあったので、まずはそこから見てみることにした。

製品ドキュメントがザックザク!

その「製品ドキュメント」には、マイクロソフトの仮想化製品に関連する、さまざまな文書がまとめられている。その中に「Hyper-V 関連ドキュメント」という項目があった。「そういえば、Windows Server 2008が登場したときに、Hyper-Vという仮想化製品ができたと要ってフィーチャーされていたな」と思い、まずはそれを見てみることにした。

「Hyper-V 関連ドキュメント」以下には、「概要」「手順書」「構成ガイド」「技術解説」「運用管理」「ツール」「パートナー技術資料」「アーカイブ」といった分類があり、その下にさまざまな文書へのリンクが用意されている。

[製品ドキュメント]をクリックすると、仮想化関連のドキュメントをまとめたリンク集を表示する

製品ドキュメント一覧の画面をスクロールしていくと、さまざまな文書へのリンクが現れる

それらのリンクをクリックしてみると、HTML文書をWebブラウザに表示するものよりも、Word文書を手元にダウンロードするようになっているものが多いようだ。これなら、文書を手元に保存しておいてオフライン状態で参照するのも容易だろう。

まずは、Windows Server 2008から利用可能になったHyper-Vと、以前からあるVirtual PC(またはVirtual Server)にどんな違いがあるのかを知りたいと思った。どちらも仮想化製品なのだから同じ… というわけではあるまい。そこで、仮想化製品のアーキテクチャについて調べてみようと思い、以下の文書をダウンロードして読むことにした。

仮想化 : 動的な IT のためのアーキテクチャの基礎 (363 KB)

インフラストラクチャの計画と設計 適切な仮想化テクノロジの選択 (292 KB)

Hyper-Vを使用したサーバーの仮想化に移行する 10 の理由 (75 KB)

企業向けのWindows Server 2008 Edition の高度な仮想化の利点(1.21 MB)

こうした文書をダウンロードして調べることで、仮想化製品には「ホストOS型」と「ハイパーバイザ型」があり、後者に属するHyper-Vは、前者に属するVirtual PCやVirtual Serverより性能面で優れていることが分かった。ただし、実行に際しては仮想化支援機能を備えたCPUが必要だと判明したため、サーバの新規購入が必要な場面に備えてメモしておいた。

このように、マイクロソフト製品の概要、あるいは利用に際して必要なノウハウについて知ろうと思った場合、TechNet Onlineで公開されている大量のドキュメントを放っておく手はない。役に立つドキュメントが見つかる可能性は低くないはずだ。