マイナビは、2015年春卒業予定学生を対象とした、企業の採用状況と学生の就職活動状況、内定状況をまとめた「2014年度就職戦線総括」を発表しました。この連載では、この総括資料をもとに2015年卒就職活動のポイントとなるデータをご紹介していきます。
※主な調査資料は「2015年卒マイナビ企業新卒採用予定調査」「2015年卒マイナビ内定者意識調査」「2015年卒マイナビ大学生就職モニター調査」など。
メーカーの採用予定数が増加
2015年卒新卒採用における採用予定数は15.1%増加という結果に。特に理系学生の採用においては、約3割の企業が採用を「増やす」と回答しており、前年比+5.2ptを記録しています。
業界別に見ると、2014年は採用実績に微減の傾向があった「メーカー(建設業を除く)」も12.1%増となるなど、景況感を反映した結果が見られます。またメーカー業界内では、「機械・プラント」(昨年比21.1%増)「電子・電気機器」(昨年比13.0%増)が前年を大きく上回る採用増となりました。
「建設業」業界の採用予定は前年比26.2%増。採用環境の見通しについても、77.2%が「理系学生の採用が前年度より厳しくなる」と回答しています。全体の3割が理系採用数を増やす中で、優秀な学生の確保がより難しくなったと言えるでしょう。
「ソフトウェア・通信」業界は、昨年採用数増を目指したものの、実績は目標の半分に終わりました。2015年卒の採用では、前年を採用しきれなかった分も含めた15.1%増を目指しています。また、即戦力となりうる「情報系」の学生を採用したいと考える企業は8割に上りました。
内々定先の企業、建設が大きく伸び
一方学生側から見ると、「学生が内々定を受けた企業の業界」については、「ソフトウェア・インターネット」(12.4%)、「繊維・科学・薬品・化粧品」(10.9%)が1・2位にランクイン。昨年と同様の結果となりました。
3位は前年比2.9pt増の「建設・住宅・インテリア」(8.7%)で、昨年3位の「銀行・証券」(7.2%)を上回りました。需要増加に向け、人材を確保しておきたい建設業界の姿勢が伺えます。
業界別の内々定時期、商社・金融は短期集中
「学生が内々定を受けた時期」を業界別に見ると、「ソフトウェア・通信」から「3月上旬」に内々定を受けたと回答した学生が昨年よりも増加しています。また、「商社」及び「金融」からの内々定が「4月の上旬」に集中しています。「小売」からの内々定は「4月上旬」と「5月上旬」にピークをむかえました。
全体を見ると、「3月上旬」に内々定を受けた学生は前年比2.7pt増の5.7%、「4月上旬」には対前年比3.4%増の26.6%となっています。一方、「4月下旬から5月後半」にかけては前年を割る数値となりました。企業の採用活動が前倒しのスケジュールで進んだ結果、選考活動開始をむかえた直後の4月上旬に内々定を受けた学生が増えたようです。
第1回は業界別の採用状況についてご紹介しました。第2回は地域による就活状況の違いをお届けする予定です。