今週は、SmartArt内にある図形の書式を個別に指定する方法を紹介しよう。この操作方法を覚えておけば、SmartArtの見た目を自由にカスタマイズできるようになる。そのほか、SmartArtのグループ化を解除して「図形の集合体」として扱ったり、SmartArtを左右反転させたりする方法も紹介する。こちらも参考にするとよいだろう。

図形の塗りつぶしと効果

SmartArt内にある図形の色を個別に指定する時は、SMARTARTツールの「書式」タブを利用する。まずは、色を変更する図形をクリックして選択しよう。

SmartArt内にある図形の選択

続いて、SMARTARTツールの「書式」タブを選択し、「図形の塗りつぶし」の▼をクリックすると、選択中の図形の色を変更することができる。なお、この一覧に目的の色が表示されていなかった場合は、「その他の色」を選択すると、色を自由に指定できるようになる。

図形の塗りつぶし

「その他の色」を選択した場合

以下の図は、「リサイクル施設」の図形の色を変更した場合の例となる。このような操作を各図形で繰り返していくと、SmartArtの色を自由にカスタマイズすることが可能となる。

図形の色を変更したSmartArt

同様の手順で、影や反射などの「効果」を各図形に施すことも可能だ。

図形の効果

書式指定の操作を何回も繰り返すのが面倒な場合は、「Ctrl」キーを押しながら図形をクリックし、複数の図形を同時に選択してもよい。この状態で書式指定を行うと、複数の図形に同じ書式を一括指定できる。あわせて覚えておくとよいだろう。

線の書式設定

SmartArtを構成する「線」の図形などの書式をカスタマイズすることも可能だ。この場合は、「線」をクリックして選択する。「線」が細くて選択しにくい場合は、スライド表示を拡大してから操作を進めるとよい。

SmartArt内にある線の選択

続いて、SMARTARTツールの「書式」タブにある「図形の枠線」の▼をクリックすると、線の色や太さなどを自由に変更できる。もちろん、この書式を使って「四角形」などの図形の枠線をカスタマイズすることも可能だ。

図形の枠線

以下の図は、組織図のSmartArtで「線」の色を「赤色」に変更した場合の例となる。特定の箇所を強調して表示したい場合などに活用できるだろう。

線の色を変更した例

ただし、この図をよく見ると、「本社」から下に延びる線の色が変更されていないことに気付く。このような結果になる理由は、「本社」-「営業部」を結ぶ線(コネクタ)よりも前面に、「本社」-「生産本部」を結ぶ線(コネクタ)が配置されていることが原因だ。この重なり順を変更するには、グループ化を解除する必要がある。

この操作を行う時は、SMARTARTツールの「書式」タブにある「グループ化」をクリックし、「グループ解除」を選択する。

グループ化の解除

続いて、前面に移動したい図形(コネクタ)を選択し、描画ツールの「書式」タブにある「前面へ移動」を何回かクリックしていくと、以下の図のように図形(線)の重なり順を変更することができる。

「コネクタ」の図形を前面へ移動する操作

図形の重なり順を変更したSmartArt

ここまで細部にわたってSmartArtをカスタマイズするケースは少ないと思うが、念のため操作手順を覚えておいても損はないだろう。 なお、SmartArtのグループ化を解除すると、図表全体が「単なる図形の集まり」として扱われようになる。この場合、図表はSmartArtではなくなるため、SMARTARTツールの「デザイン」タブや「書式」タブを利用できなくなる。先にスタイルを指定してからグループ化を解除するなど、作業を行う順番を工夫する必要がある。グループ化の解除は、他の編集作業を終えた後に行うのが基本と考えておこう。

SmartArtの向きを左右反転するには?

最後に、SmartArtの向きを左右反転させる方法を紹介しておこう。「説明したい内容に合うレイアウトが見つからない……」という場合は、レイアウトを左右反転させた形を考慮してみるとよい。これで最適なレイアウトが見つかる場合もある。

SmartArtのレイアウトを左右反転させるときは、SmartArtを作成した後、SMARTARTツールの「デザイン」タブにある「右から左へ」コマンドをクリックする。以下に具体的な例を紹介しておくので、参考にするとよいだろう。

「右から左へ」コマンド

このSmartArtに「右から左へ」を適用すると…、

このような配置になる