はじめまして。このコラムを担当するイラストレーターの吉永直子です。専門は風景画で、駅や線路際で描くうちに列車の写真も撮るようになりました。そこで"鉄ちゃん"と呼ばれる鉄道ファンの人たちと出会い、彼らの間にある不文律を知ることとなりました。一瞬のシャッターチャンスを皆で分かち合うためのルールは合理的で、無理なく安全によい写真を撮るためにも役立ちます。かく言う私もまだまだ経験不足。皆さんと一緒に成長していきたいと思っています。

高性能のデジタルカメラが普及したおかげで、ぐっと身近になった鉄道の写真撮影。しかし鉄道写真は、スナップ写真の延長上にあるわけではありません。列車の安全運行を妨げずに一瞬のシャッターチャンスをモノにするための、この分野特有ともいえる不文律があります。このコーナーでは、初心者鉄ちゃん向けに、鉄道撮影にまつわるマナーやタブーに関してイラストを使って解説していきます。まず第1回目は撮影の前段階、情報収集についておすすめの方法とタブーを取り上げます。

では早速、「情報収集」から始めましょう。例えば、次の週末、ローカル私鉄のマイコミ鉄道に「SLマイコミ号」が走るとしましょう。旅行とスナップ写真撮影が趣味のテツヤくんは、ドライブがてらSLの写真が撮りたくなりました。

まずはSLの走る時間を知りたいところですが、くれぐれもいきなり鉄道会社に電話をかけないように!!"まずは自分で努力! "です。

駅舎や沿線ロケーションなどについて知りたい場合も同様です。どうしても鉄道会社に電話する必要がある場合は、できるだけ手短にすることを心がけて下さい。日本の鉄道は定時運行が命。そのためにも、鉄道会社の方は1秒も無駄にはできないのです。現場の方を困らせないように配慮しましょう。

なお、一部の鉄ちゃんが「撮影したい!!」と好む回送や試運転、運転停車など業務用ダイヤについては、鉄道会社に電話しても教えてもらえません。鉄ちゃん経験を積んでから、有名掲示板などで探してみて下さい。

「面倒だからもうやーめたっ!!」なんて思わないでくださいね。Webで調べるだけでも小さ な情報をたくさん得られます。出かける前から充実感がありますよ! では次回、いよいよ撮影地へ出発です。

ミニ情報・主な鉄道雑誌の紹介(2007年6月現在)
これから紹介する雑誌に掲載されている情報は、テレビなどで話題になるより早めに掲載されていることが多いです。普段から目を通しておくとよいでしょう。少し難しく感じる部分もあるかもしれませんが、強力な鉄ちゃんの友になってくれますよ。
鉄道ファン」(交友社)
鉄道ジャーナル」(鉄道ジャーナル社)
Rail Magazine」(ネコ・パブリッシング)