前回は、堀さんにFriendFeedの概要についてお伺いしました。今回はいよいよ、実際にどう活用するかの、具体的な使い途について迫っていきます。

FriendFeedを使い始めたらまずやることは

佐々木 前回に引き続き、FriendFeedについてお伺いしたいのですが、そもそもまずFriendFeedに登録したら何をしますか?

自分がブログを書いているなら、まずそのRSSを登録します。それ以外に、deliciousブックマークや、はてなサービスをつかっていたら、それも登録してしまいましょう。ブログやはてなだったら数日分は日記が書いてあって、RSSに情報がないと登録がうまくいかないことがありますので、その点だけ注意してください。

FriendFeedに登録できるサービス一覧

佐々木 FriendFeedはたしかに、これが圧巻ですね。このなかには写真共有サービスのFlickrや、SNSのFacebook、いま聴いている曲を共有する Last.fm などまであるんですね。こうしたサービスを全部使っているなら、その利用している様子をすべて一元管理できると。

それからGoogle Readerもあります。Google Readerの共有機能を使うと、その情報がFriendFeedにアップされるようになります。あなたがブロガーだったら、ブログで紹介しきれない情報を読者の人と共有するために使いましょう。

コミュニケーションをリアルタイムに共有する

佐々木 ここまでやるだけでも一定の効果が実感できると思いますが、堀さんは他にどんな使い方をしていますか?

僕が注目しているサービスにDisqusがあって、これはブログのコメントをdisqusというサービスにお任せしておくと、そのコメントがFriendFeedやTwitterで共有されます。コメントをするユーザーの側もTwitterアカウントを利用してブログにコメントを残すことができるので、「ブログにコメントするのは敷居が高い」というユーザーにもやさしいサービスです

ブログを書いている人が FriendFeed を始めるべき7つの理由

佐々木 もちろん、FriendFeedにのっていないサービスであっても、RSSがあるなら、"Custum RSS / Atom" で登録できるんですね?

ええ。新聞社、ニュースサイトなどは容易に登録できます。私などは学術論文の発行元のRSSなども登録しています。もちろん、前回紹介したImaginary Friendとしてです。ここまでを簡単にまとめるなら、

  1. FriendFeed に登録する
  2. サービスを登録してゆく
  3. 追いかけたい人を登録する

という流れになるでしょう。

サービスを登録したら、次に追いたいブロガーやニューソースをFriendとして追加していきます。もしその人がFriendFeedを使っていれば話は早いですが、使っていなくても、Imaginary Friendを使って、カスタムで登録できるので安心です。そして、

 4. Twitterに流したい情報をチューニングしておく

ということもできます。

FriendFeedで発信した情報は、同時にTwitterに流せる

TwitterとFriendFeed

佐々木 FriendFeedで一元管理できるのに、今度はそれをTwitterに転送してしまうメリットは何ですか?

人によっては自分の写真がFlickrにアップロードされたら、Twitterにつぶやきたい人もいます。そういうときはFriendFeedで設定すれば、flickr --> FriendFeed --> Twitterという流れでつぶやきが発行されます。本来Twitterでつぶやく機能がないサービスのアップデートも、FriendFeedで流せるわけです。

佐々木 それから堀さんは、FriendFeedのグループ化という機能はお使いですか?

もちろんです。追っているユーザーが増えると、そのアップデートがたくさんありすぎてわかりにくくなりますので、

 5. グループ化をしておく

ことにより、追いかけたいユーザーやニュースソースを、まとめてリストにするのです。僕の場合、日本のブロガー、欧米のブロガー、ニュースサイト、注目している人、といったリストがあって、そのときの気分で、好きな最新のニュースの流れを見に行けます。

佐々木 Tweetdeckと似ていますね。

Twitterにのらない情報も、FriendFeedは拾っている。これが大事なポイントです。僕が誰かのことを信頼して、FriendFeedでフォローしはじめたとします。そうすると、そのフォローしている人の「お気に入りをつける」などの行動が、僕のフィードにも反映されるのです。つまり、つけたお気に入りの情報が、僕のフィードにも入る。それは、まったく出会う可能性の無かったはずのユーザー同士を、一人の影響力の強い人が結びつけたことになります。だから、FriendFeedのカリスマユーザーは「お気に入り」の数が尋常ではない。

佐々木 言葉で聞くとちょっと難しいですが。要するに、情報を言葉で発信してもらわなくても、行動を情報として受け取ることができるというわけですね。いわゆる「αブロガー」が知らせてくれることはもちろん興味深いですけれども、彼らの「行動」はもっと興味深いかもしれない。いつどんな本を買ったか、どんな情報に「お気に入り」をつけているか。人によっては大変有益な情報になりますね。

対談後記

佐々木です。堀さんとお話しするたびに、自分ももっとFriendFeedを活用しなければ、という気にさせられます。これを使っていて、本当に便利だし、よかったと思うことの1つが、自分が情報源としている人の志向性が見えてくる点です。日頃から接していて、「なぜこの人は、これほど情報通なのだろう?」と疑問に思うことがあれば、FriendFeedでなんとか「仮想の友達」にできないかと考えます。うまくいけば、「なぜ情報通なのか?」が見えてきます。のみならず、徐々に同じレベルの「情報通」に近づけるからすばらしいのです。

佐々木堀 正悟(ささき しょうご)
心理学ジャーナリスト

「ハック」ブームの仕掛け人の一人。専門は認知心理学。 1973年北海道旭川市生まれ。97年獨協大学卒業後、ドコモサービスで働く。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。 著書に、ベストセラーとなったハックシリーズ『スピードハックス』『チームハックス』(日本実業出版社)のほかに『ブレインハックス』(毎日コミュニケーションズ) 『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』(ソーテック)などある。

ブログ「ライフハックス心理学」を主催

E. 正岳(ほり まさたけ)
ブロガー・気候学者

1973 年アメリカ・イリノイ州エヴァンストン生まれ。筑波大学地球科学研究科(単位取得退学)。理学博士。地球温暖化の影響評価と気候モデル解析を中心として研究活動を続けている。その一方でアメリカでライフハックが誕生したころからその流行を追い続け、最新のハックやツール、仕事術や自己啓発に至る幅広いテーマをブログ Lifehacking.jp で紹介している。 著書に、「情報ダイエット仕事術」(大和書房)、「英語ハックス」 (日本実業出版社、佐々木正悟氏との共著)、Lifehacks PRESS vol2 (技術評論社、共著)がある。「ブログ Lifehacking.jp を主催」。