連載の第2回第3回では、新型インフルエンザ対策用の安否確認サイト構築に関する手順を解説してきた。そこで今回からは、より日頃のビジネスに密着した営業管理データベースサイトの作成手順をご紹介しよう。

「Premier Edition」へのアップグレード手順

営業管理データベースサイトの作成を行う前に、ここでGoogle Appsを「Standard Edition」から「Premier Edition」にアップグレードする手順を紹介しておこう。第1回でも解説したように、Premier Editionでは99.9%のメール稼働率保証やAPIによる既存システムへの統合機能を搭載。さらには「Googleビデオ」と連携した社内動画配信も行えるので、ビジネスの強い味方となってくれるはずである。

アップグレードの方法は、Google Appsの管理コントロールパネルに表示されている「Premier Editionの無料試用」をクリックするか、「アカウント情報を管理」から「Google Apps Premier Editionへのアップグレード」を選択。あとは追加ユーザーアカウント数や決済に必要なクレジットカード番号などを入力していくだけだ。アカウント数が非常に多くなったり、サポートが必要な場合はベイテックシステムズをはじめとした販売代理店に依頼すると良いだろう。

Google Appsの管理コントロールパネルに表示されている「アカウント情報を管理」もしくは、右側にある「Premier Editionの無料試用」をクリック

「アカウント情報を管理」を選んだ場合、「アカウント情報」タブにある「Google Apps Premier Editionへのアップグレード」をクリックする

追加ユーザーアカウント数を指定し、合計金額と利用規約を確認する

クレジットカード番号や住所などの必要事項を入力し、最下部の「Agree and Continue」をクリック

金額に問題がなければ「Place your order now --$金額」をクリックする

これでGoogle Apps Premier Editionへのアップグレードが完了した

Premier Editionでは管理コントロールパネルに過去90日間のアクティブユーザー数や、「Googleビデオ」へのリンクも表示される

営業管理データベースサイトを作ろう

それではここから、営業管理データベースサイトの作成方法をご紹介しよう。今回はGoogleドキュメントのスプレッドシートに必要なデータを入力し、それを基にGoogleサイトでのグラフ表示を行ってみる。

まずは管理コントロールパネルからGoogleドキュメントにアクセスする。ここで表示を日本語化するために、右上の「Setting」をクリックして言語から「日本語」を、タイムゾーンから「(GMT+09:00)Tokyo」を選んでおこう。

Googleドキュメントにアクセスし、右上の「Setting」をクリック

言語から「日本語」を、タイムゾーンから「(GMT+09:00)Tokyo」を選んで「Save」をクリック

最近アカウントを取得したユーザーに関してはこの操作だけで日本語化されないという不具合も報告されているが、そんな時は「New」から一度「Document」を開いた後に言語設定をすると日本語表示が可能になる。

日本語表示ができたら「新規作成」から「Spreadsheet」を選択し、実際のデータ入力を行う。今回は例として営業部全体の契約件数を入れてみたので参考にしていただきたい。

この操作だけで日本語化されない場合は、「New」から一度「Document」を開いた後に言語設定を行おう。日本語表示ができたら「新規作成」から「Spreadsheet」を選択する

営業部全体の契約件数を入力し、メニューバーから「ファイル」→「保存して閉じる」を選択する

スプレッドシート上では入力したデータから、Excelと同じく簡単にグラフ作成が可能だ。しかし、ここで作成したグラフをそのままGoogleサイトで公開するには少々難がある。その理由は、画像として保存後に貼り付けると更新の手間がかかるし、imgタグでHTMLに貼り付ける方式も試してみたが筆者の環境では日本語の一部に文字化けが発生したため。 そこで、今回はGoogleサイトへの表示をメインに考えて、Googleサイトのガジェットからスプレッドシートの内容を呼び出す方式を採用している。

ちなみに今回は直接使用しないが、「挿入」→「グラフ」を選ぶとこのようなグラフもスプレッドシート上で作成できる

続いては、営業データベース用のサイトを作成する。安否確認サイトの時と同様に、管理コントロールパネルで「サイト」の下にあるURLを開き、「新しいサイトを作成」をクリックしよう

編集ページでレイアウトを2列にし、「挿入」から「その他のガジェット」を選択する

今回は営業部全体の契約件数を棒グラフで表示させるため、「棒グラフ」と入力して検索

「データのソースURL」欄に先ほど作成したスプレッドシートのURLをコピー&ペーストし、軸タイトルなどを入力。ガジェットにタイトルを表示したい場合は最下部の「ガジェットにタイトルを表示」を利用する

これで営業部全体の契約件数が表示された。下にある折れ線グラフは、同様の手順で作成した問い合わせ件数のグラフだ。左側のスペースにも、第2回の記事で紹介した方法で「最新のお知らせ」を挿入してある

Googleカレンダーでスケジュールを共有

続いては、営業管理データベースサイトに営業部全体のカレンダーを表示させる。会議や打ち合わせなどの予定を共有しておけば、臨時のミーティングを開催したい時もスケジュールが立てやすくなるだろう。

Google Appsは「Googleカレンダー」との連携により、こうしたスケジュール共有が簡単に行えるようになっている。時間や繰り返しなどの細かい指定も可能なので、ぜひ日頃のスケジュール管理に役立てていただきたい。

管理コントロールパネルで「カレンダー」の下にあるURLをクリックすると、「Googleカレンダー」が表示される。まずは日本語化を行うため右上の「Settings」をクリック

「Language」で「日本語」を選び、「Save」をクリックするとメニューが日本語で表示される

日本語表示ができたら「マイカレンダー」の下にある「作成」をクリックし、営業部全体用のカレンダーを作成する

他のユーザーに予定の変更権限を与える場合は、最下部にある「特定のユーザーと共有」から追加ユーザーと権限を指定する

この画面では月間のカレンダーを表示しているが、右上のタブから1日ごとや週間表示に変更することもできる

スケジュールは時間や繰り返しなどの細かい指定が可能

カレンダーの入力が終わったら、Googleサイトの編集ページに戻って「挿入」から「カレンダー」を選択する

表示する高さや幅、タイトルなどを指定して「保存」をクリック

これで営業部全体のスケジュールが表示された

今回はデータのグラフ化とスケジュール表示をメインに、営業部全体に関する管理データベースサイトの作成手順を紹介した。そこで次回は、行先予定表など各課単位の項目を追加していきたいと思う。