Excel 2013に追加された新機能に「クイック分析」機能がある。この機能は、いつでもリボンから使用する機能ではなく、ワークシート上で、データが入力された範囲を選択すると[クイック分析]ボタンが表示され、使用できる。

データが入力された範囲を選択すると表示される[クイック分析]ボタン

このボタンをクリックすると、Excelでデータを集計したり分析したりするための機能に、すばやくアクセスできる。

[クイック分析オプション]ボタンで表示される「書式」/「グラフ」/「合計」

[クイック分析]ボタンをクリックすると表示される機能は、Excel 2010に標準で装備されていた機能が多く、Excel 2013の新機能は「スパークライン」だけといっても過言ではないが、[書式]に存在する「データバー」[カラースケール]「アイコンセット」などの機能は、ある程度Excelを詳しく知っているユーザーでないと使ったことがない機能なのではないだろうか。あるいは発売当時に新機能として雑誌等で紹介されていたため、見たことはあるが、どのように使用すればいいのか、どこから使用するのかわからないといった方も多いのではないか。

しかし、Excel 2013において、データを範囲選択したタイミングで表示されるようになったことから、それらのユーザーも機能を使用するチャンスを得たはずだ。例えば、このままでは単なる数量、単価、合計が表示されている表でしかないが、「データバー」を使用することにより、合計に表示された売上金額の高低がビジュアルで一目で判断できる。

「データバー」により、セル内に売上金額に応じたグラフが表示

また、「合計」の「合計の比率」を使用すると売上総額に応じた比率をワンクリックで作成することもできる。この機能を知らない場合には、合計の総額を計算し、そのセルを元に絶対参照を使用して式を作成、その後、セルをコピーするといった操作が必要となる。

「合計の比率」により、売上総額に応じた比率を作成

大変便利な[クイック分析]ボタンだが、これらの機能を業務で使用しない、表示されると困るということもあるだろう。そんな場合には、[Excelのオプション]で設定を行うことにより表示のオン/オフを切り替え可能だ。

[Excelのオプション]の[基本設定]-[ユーザーインターフェースのオプション]の[選択時にクイック分析オプションを表示する]チェックボックスをオフに設定

例え、オフに設定していても、[クイック分析]機能を使用するショートカットキー([Ctrl]キー+[Q]キー)を知っていれば、クイック分析ツールを表示できる。是非、Excel 2013で強化された分析ツールを使用し、業務に役立てて欲しい。