my講師にしてもらえることは? 活用に際して気をつけること

前回は、中学受験に臨むにあたって「親がすべきこと」と「”my講師”と名付けた家庭教師や個別指導塾講師に代行してもらえること」について解説しました。今回は、my講師ができることや、my講師を活用する際の心構えについてお伝えします。

課題把握から志望校合格のための戦略までフォロー

大手集団塾の利点は「過不足なく中学受験の知識が入れられて、その成果を確かめるテストがある」ということでした。しかし集団塾に通わせるだけでは、カリキュラム内容の理解を深めたり、志望校対策を徹底したりすることについては課題があります。

そこで親の代行として活躍してくれるのが、「my講師」と名付けた家庭教師や個別指導塾講師です。my講師は数ある教材の中から、志望校にあった教材を選び取ることが可能です。さらにマンツーマンであるために、合格に向けてどの項目の知識や理解が足りないのか、分析した上で勉強を教えることができます。「この教科は苦手だから、こちらの教科で点数をカバーしよう」というように、戦略を立てることも得意としているのです。

丸投げではなく活用せよ

一方で、"my講師をつけたから大丈夫"ということは言えません。なぜなら、講師にも「当たり外れ」があるからです。同じお金がもらえるならば、手間を省こうとする人もいれば、自分流の教え方を押し通して子どもの学習姿勢に合わせられないなど、さまざまな人がいます。

さらにいくら子どもが講師を慕っていたとしても、成績が伸びないことはあります。講師のことが好きなだけで、学習内容を理解できていないということは十分あり得ることです。また、志望校で出題される問題傾向について把握していない講師では、活用の目的を果たすことができません。

どこに頼るにしても、結局「丸投げ」ではうまくいかないというのは共通しています。親ほど子どものことに必死な存在はいなくて、その必死さで講師を動かすというのが最も強いのです。ですから、そこでくじけてしまうのではなく、うまく「活用する」ことで、効率よく合格を勝ち取っていきましょう。

次回は、my講師を活用する前段階として「大手集団塾」を活用しつくす方法についてお伝えします。

※画像は本文と関係ありません。

著者プロフィール

中学受験ドクター講師 春野陽子
日能研で約10年間にわたって中学受験の国語指導を担当したのち、中学受験ドクターの講師として活躍。元中学受験ママでもあり、2人の息子をそれぞれ巣鴨中学校と海城中学校に合格させた実績を持つ。講師としての立場、先輩ママとしての立場の双方から、親たちに向けた受験のアドバイスを行っている。
中学受験ドクター