【連載】

SDS講座 - 基礎から導入まで

9 仮想化された重複排除バックアップアプライアンス - 前編

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バックアップの世界にもソフトウェア・デファインド・ストレージの波が押し寄せている。今回、紹介するのは保護ストレージであるData Domain(以後 DD)だ。同ソリューションはSDS(Software Defined Storage)の俊敏性、柔軟性、効率性というメリットをユーザーに提供するソフトウェア・バージョンとして、直近では4月にData Domain Virtual Edition2.0(以後DD VE)がリリースされている。

また、グローバルでは9月中にDD VE3.0がリリースされ新しい用途への拡張、拡張性の向上、クラウド対応、新しいハイパーバイザーのサポートなど機能拡充が実施される。今回から2回にわたり、SDSを活用したDD VEのメリット、ユースケースおよび構築方法について解説する。

1. Data Domain Virtual Editionの概要

Data Domain Virtual Edition(DD VE)は、従来型のハードウェアベースのDDと同じくコア機能を維持している。ストレージ要件を10分の1から30分の1に軽減する可変長ブロック重複排除、データ非脆弱性アーキテクチャによりデータの整合性の問題に対する最適な防御策を提供する(図1)。これはエンド ツー エンドのデータ検証、継続的な障害検知および自動修復、ファイルシステムの完全復旧可能性を含むうえにNVRAMがエミュレートされる。

図1. データ非脆弱性アーキテクチャ(DIA)

管理性においてもDD VEはDD System ManagerまたはCLIから管理ができ、DD Management Centerからは複数のDD VEインスタンスを一元管理することが可能。DD System Managerから使用できる新しい自動評価ツールが加わっており、これはDD VEインスタンスの導入を合理化し、ユーザーの環境に対してチェックを実行する。そのストレージが基本的な構成要件を満たしていることを確認。

導入時にチェックを行うことでDD VEは、ほかの仮想保護ストレージソリューションと比較して優れたバックアップ/アーカイブ アプリケーションによるシームレスな統合が可能だ。また、標準でバックアップ速度を50%向上させるDD Boost、データ セキュリティを強化するDD Encryption、ネットワーク効率に優れたレプリケーションにより災害復旧の準備にかかる時間を短縮するDD Replicatorの機能が含まれている。

メリット

DD VEのメリットの1つとして導入の速さと容易さが挙げられる。ダウンロード、導入、構成が高速かつシンプルになり、数分で起動し、稼働状態にすることが可能だ。

最初にリリースされたDD VE2.0ではVMware環境に対応しており、VMware ESX 5.1、5.5、6.0上で実行され、ユーザーの高可用性のニーズに対応するためにVMware vSphere High AvailabilityとFault Toleranceをサポート。また、VMwareがワークロードを均衡化して最適なパフォーマンスを得られるように、VMware DRS(Distributed Resource Scheduler)もサポートしている。

DD VE3.0では、新しいハイパーバイザーのサポートとしてMicrosoft Hyper-V(Windows Server 2012 R2)への導入が可能となる。これにより、DD VEは短期間で迅速にサービスとして提供可能となり、管理が容易なソフトウェアのみの保護ストレージを探しているサービス プロバイダーや企業の新しい用途へ対応ができる。

また、VCE VxRailのサポートにより、コンバージド インフラストラクチャ環境への導入も可能となった。データ保護は、急増するデータ量、バックアップ期間の圧力や仮想化の要求に対応できるソリューションを必要とする、SDDC(Software Defined Data Center)に不可欠なコンポーネントだ。DD VEは、ユーザーがVxRailの適切な保護を確実に維持するために必要となる、容易な導入と柔軟性を提供する。

2つ目のメリットは、柔軟な価格設定とライセンスを提供することだ。1つのインスタンスに最大96TB(DD VE2.0では16TBまで)までのスケールアップが可能で、ユーザーは成長に応じて1TBの最小単位で購入できる。

容量は、必要に応じて環境全体のマルチ インスタンスに分散することができ、サイト間で簡単に移動が可能だ。DD VEは物理Data Domain同様に多くのバックアップ アプリケーション、エンタープライズ アプリケーションおよびアーカイブ アプリケーションのパートナーをサポートしている。

3つ目はクラウド対応となり、Data Domain Cloud Tier(DDOS6.0新機能)をサポート。ユーザーは長期保存を目的として、パブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウド内のオブジェクトストレージにネイティブにデータを階層化できるようになる。

図2. 長期保存データのクラウド対応

重複しないデータのみがDD VEからEMC Elastic Cloud Storage(ECS)やVirtustream Storage Cloudを含む、ユーザーが選択したクラウドに直接送信され、すでに重複排除済みのクラウドに書き込まれる。これにより、ストレージ占有領域やネットワーク帯域幅が低減されるためTCOも削減される。

さらに、クラウドに送信される前にデータを暗号化する機能を使うことでデータの安全性も保証する。DD VEとDD Cloud Tierを組み合わせることで、ソフトウェア デファインドとクラウド対応の両方を備えた新しい保護ストレージをユーザーに提供する。次回はユースケースおよび構築について紹介する。

EMCジャパン株式会社
システムズエンジニアリング本部 プロダクトソリューション統括部 データ プロテクション ソリューション部 シニアシステムエンジニア
愛甲 成一
現在、DELL EMCのデータプロテクション ソリューション部にて、データ保護製品を販売するプリセールスとして活動。今後も増え続ける重要なデータを効率よく、安全に保護し、確実に復旧できるソリューションを提供し続けて参りますのでデータ保護は、お任せ下さい。

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インデックス

連載目次
第10回 仮想化された重複排除バックアップアプライアンス - 後編
第9回 仮想化された重複排除バックアップアプライアンス - 前編
第8回 SDSで支店・支社にエンタープライズNASを導入 - 後編
第7回 SDSで支社・支店にエンタープライズNASを導入 - 前編
第6回 SDSでインフラ開発/テスト環境をスリム化
第5回 SDSでハイパーコンバージドインフラを構築 - 後編(3)
第4回 SDSでハイパーコンバージドインフラを構築 - 後編(2)
第3回 第3回 SDSでハイパーコンバージドインフラを構築 - 後編(1)
第2回 SDSでハイパーコンバージドインフラを構築 - 前編
第1回 第1回 SDS(Software Defined Storage)って何?

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