【連載】

知っているようで知らないO2Oを理解する

5 アプリを活用した店舗集客の必要性とは?

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これまで、日本国内におけるO2Oの発祥と発展、また飲食・小売業界におけるO2O事例・アプリ活用事例について紹介してきた。今回は、年々需要の高まっているスマートフォンアプリを活用した店舗集客がなぜ必要なのか、具体的に読み解いていく。

コミュニケーション手段の移り変わりによるアプリ需要の増大

第2回(「国内O2Oの歴史とその変遷(後編)」)でも触れたように、スマートフォンの利用が拡大してLINEなどのコミュニケーションツールが台頭したこにより、ユーザーと企業のコミュニケーションの姿も移り変わりを見せている。

また、インターネットへのアクセスもPCからスマートフォンへと移り、さらにはアプリによるアクセスの比率も年々増加している。そうしたユーザーの動向からも、アプリに「面」を持ち、変わりゆくユーザー動向に応えることが必要であると言える。

店舗向けアプリの王道・マクドナルドに見る店舗向けアプリの機能

ただし、せっかくのアプリがWebとまったく同じ内容しか掲載していないとすればアプリの活性化は望むべくもない。アプリという特性を生かした機能や、アプリユーザーに限定した情報・特典の希少性があってはじめて、アプリは店舗集客に効果を発揮するだろう。

以下、「日本マクドナルド公式アプリ」を基に、店舗向けアプリに必要な機能を見てみよう。

ホーム画面は画像中心の訴求となっており、限定メニューなどが大きくPRされている

アプリダウンロード直後はクーポン使用はロックされている

会員登録後、クーポン使用ボタンがアンロックされ使用可能な状態となる

割引・一品サービスなどの来店クーポンやポイントカードは販促の定石と言えるが、印刷・配布コストの問題や、効果測定の面で即座に分析・集計を行えないというデメリットもある。

その点、アプリ内にそうした機能を集約することで、かさばった財布の中身を整理する際に抜かれてしまい、いざという時に所持していないといった機会損失を防げる利点がある。

また、GPSと連動した店舗検索機能や食事メニュー、お知らせ機能などは店舗向けアプリに標準的に搭載されている機能でもある。また、ユーザーが頻繁に来店する店舗は「お気に入り」へ登録され、その店舗限定の情報・クーポンが得られるという利点がある。

さらに、最新情報を伝えるタイムラインはホーム画面にグラフィカルに表示され、限定メニューやキャンペーンが頻繁に行われる同社らしい訴求力の強いデザインとなっている。

なお、第3回「押さえておきたい飲食業界におけるO2O施策事例」 で紹介したスターバックスコーヒージャパンの公式アプリでもあったように、チェックインもリピート販促に欠かせない機能と言えよう。

チェックイン回数に応じた特典の付与などもあり、ユーザーの再訪意欲を促すのに一役買っている。オーソドックスに来店回数に応じて付与するものもあれば、「吉野家アプリ」のように歩数計と連動し、マイレージのように歩数に応じて付与するなどの派生形も次々と誕生している。

販促機能が凝縮された店舗向けアプリが果たす役割

CMS(Contents Management System:コンテンツ管理システム)の登場により、店舗販促の手段としてアプリを導入することのハードルは大幅に下がり、現在では多くの飲食チェーンの販促の中心として機能している。

独自開発の場合は数百~数千万円の初期投資が必要となるが、ASP化することにより初期導入コストが低減したことが普及の背景にある。アプリは印刷物に比べてクーポンなどの利用率が高く、ユーザー層に応じて販促内容を変えられることなどが店舗に受け入れられている。

冒頭に述べたユーザーのインターネット接触に関する動向の変化に対応するためにアプリに「面」を持ち、ユーザーとの継続的なコミュニケーションを図ることが不可欠となりつつあると言える。

販促アプリから、オムニチャネルの中心としてさらなる機能拡張も

店舗向けアプリの機能は既に単なる店舗販促ではなく、小売業界を中心にECサイトと連動したオムニチャネルの中心に移りつつある。

在庫確認・取り寄せ以外にもバーコード読み込みによる商品情報の参照など「アプリを持つメリット」がより高まっている。また、店舗以外にもイベント集客や大学・専門学校などの志願者獲得、地方自治体の観光集客などそのニーズも続々と広がりを見せており、かつて企業の公式WebサイトやSNSチャネルがそうであったように、各企業が公式のアプリを用いて来店施策を行う時代が近づいていると言えるだろう。

次回は、地方自治体で加熱しつつあるインバウンド需要への対応として行われているSNSやアプリを通じてのO2O集客事例をご紹介しつつ、対応すべきポイントについて整理していきたい。

著者プロフィール

谷内 亮介


GMO TECH株式会社 O2O事業部 メディアプロデュース部 マネージャー。大学卒業後、私立大学事務局や広告代理店などの勤務を経て、2013年に株式会社ぐるなびへ入社、ビッグデータ・O2Oを用いた販促商品企画に携わる。2016年3月に当社入社。O2Oアプリ作成ASPサービス「GMO集客アップカプセル」の企画・プロモーション・アライアンスを担当。


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インデックス

連載目次
第5回 アプリを活用した店舗集客の必要性とは?
第4回 押さえておきたい小売業界におけるO2O施策事例
第3回 押さえておきたい飲食業界におけるO2O施策事例
第2回 国内O2Oの歴史とその変遷(後編)
第1回 国内O2Oの歴史とその変遷(前編)


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