管理対象がサーバからクライアントへと転換

自社でサーバを運用している場合、サーバのトラブルは、即事業のトラブルに直結する。そのため、IT管理者は神経をとがらせて管理を行い、そうした業務をサポートするソリューションも数多く存在する。しかし、クラウドを活用することで、サーバ管理の苦労はかなり解消されつつある。

一方で、クライアントPCの管理は相変わらず煩雑だ。単に、全クライアントにセキュリティソフトを導入し、適切なアップデートを行わせるだけでも台数が多ければ大変な手間となる。データ破損や操作ミスによるトラブル対応、節電要請に応えるための電源管理も必要だ。そのほか、パッチの適用、資産管理やバックアップ、業務用ソフトの一斉導入やアップデートなども行わなければならない。

1つ1つの作業自体はそれほど難しいものではないが、対象台数が膨大になれば、ツールなしに全体を管理するのは不可能だ。できれば、全てのクライアント管理業務を統一された1つのインタフェースで行い、自動化するのが理想だろう。そして、その理想を実現するクライアントPCの統合管理ソフトが「Kaseya」だ。

「Kaseya」の主な機能

予防・予知・自動化でクライアントを効率的に管理

製品名と同じKaseya社は、スイスに本社を置き、世界32カ国にクライアント管理ソフトを提供する。提供ライセンスは1,300万を超える。2010年末には2バイト文字対応も完了し、2011年6月には日本法人を設立している。「Kaseya」は、アメリカンインディアンの言葉で「to Secure and Protect」を意味するという。

Kaseya社とは

Kaseya Japan社長の北原信之氏

「目指すのは、人の手で行うことすべてを自動化するITオートメーションです。1台ごとならば手動で行えても、大量に行うには手間がかかりすぎるということがよくあります。また、大きな労力の必要な日々の管理業務はいざという時に役立ちますが、普段はムダな手間だという考え方もあるでしょう。そうした手間の部分を自動化によって効率化し、オペレーションコストの削減を実現するのがITオートメーションなのです」と、Kaseya Japan社長の北原信之氏は説明する。

「Kaseya」の大きな特徴は、企業が必要とするクライアント管理に必要な機能をオールインワンで揃えており、機能を統一された管理画面から操作できることだ。このオールインワン・シングルインタフェースという構造によって、管理業務の手間を軽減する。また、「予防・予知」機能によって、実際にPCが故障する前に問題を検知できる点もポイントだ。

「Kaseya」のシステム構成イメージ

従来のクライアント管理では、エンドユーザーからトラブルの報告が来てから管理者が現場に出向いて対応する。その間、エンドユーザーの業務はストップし、復旧をひたすら待つほかない。いまやメールもWebも利用せず業務を継続するのは不可能だ。

「予防・予知によって事前に問題を検知することで、壊れる前の対応や素早い復旧が可能になります。拠点内だけでなくインターネットを経由して遠隔地の端末を管理対象にすることもできます。また、遠隔操作でのサポート機能も提供していますから、多拠点展開している企業でも管理が行いやすくなります」と北原氏は語る。

1人が管理できるクライアント数が5~10倍に!

これまで、セキュリティや端末管理といった分野は「守り」だとされていた。しかし、現在、「守りのIT」に投資したいという企業は少ないだろう。必要に迫られ対応しているものの、労力やコストは最小限に抑えたいというのが本音だ。

「Kaseya」ならば、小さな労力で大量のクライアントを管理できる。実際に利用している企業からは、『1人で管理できる端末が5倍から10倍に増えた』という声も出ているという。手動で管理している場合、大きな対応やトラブルが出ていない平常時でも、1人の管理者が対応できる端末数は100台程度が限界だ。しかし、「Kaseya」を利用してITオートメーション環境を整えると、1人で500~1,000端末の管理が可能になる。また、コスト面でのメリットも大きい。

ITオートメーションとは

「アンチウィルスソフトを全クライアントに導入する程度のコストで、『Kaseya』はクライアント管理に必要なすべての機能を提供します。もちろん、導入済みのソフトと共存させて一部機能のみを使うことも可能です。守りのITから攻めの経営に転じるためのツールとして、ぜひ利用していただきたいですね」と北原氏。

少人数で多数の端末を的確に管理し、素早く対応することは、クライアント管理において重視しなければならない点だ。その要求を満たし、さらに自動化とコスト削減という理想も実現してくれるのが「Kaseya」なのだ。