帝国ホテルの公式オンラインモール「ANoTHER IMPERIAL HOTEL」(アナザーインペリアルホテル)内で、新たな日本酒体験となる「凍眠生酒」が話題なのをご存知でしょうか? 「凍眠生酒(とうみんなまざけ)」とは、生酒をマイナス30度の不凍液で急速冷凍する「TOMIN SAKE COMPANY」の独自技術。酒蔵ごとにベストなタイミングを見極めて"凍眠"させた自信作のプレミアム酒のこと。
国内初の新技術で、生酒の新しい可能性が広がる
「TOMIN SAKE COMPANY」と「ANoTHER IMPERIAL HOTEL」によるコラボレーションイベントが帝国ホテル 東京で開催されました。創業130年以上の帝国ホテルは、2024年11月にオープンした公式オンラインモールで、飲食・飲料品から生活雑貨まで現在61ブランド・約150商品を販売中。同社EC事業部長の惣田新一氏は次のようにこだわりを説明します。
「商品選定のポイントは、希少性、ストーリー、意匠性、応援意識の4つ。当社のシェフやソムリエなどがアンバサダーとして、地方自治体と協働し、地域共創を目指して選定しました。現在は24都道府県の商品を取り扱っており、さらに広げていく予定。来年には120ブランドを扱っていきたい」。
通常、加熱処理をしていない生酒はほとばしるみずみずしさなどが魅力的ですが、瓶内でも発酵が進むので長期保存が難しいもの。一方、火入れをした酒は長期保存が可能ですが、生酒ならではのおいしさに欠けてしまいがち。
生酒ならではの美味しさと長期保存を両立できるのが「凍眠生酒」であり、この技術を提供している前川達郎氏(TOMIN SAKE COMPANY代表取締役 社長)は次のように説明します。
「テクニカン社(同社の関連企業)の国内初の凍結技術により、一般的な空気冷凍の約20倍のスピードで、水分やアルコールなどの成分が分離する前に日本酒を凍結することが可能になりました。だから解凍後もお酒の味にほぼムラがなく、搾りたての風味をそのまま再現できるのです。官能検査でもしぼりたての生原酒との違いはほぼ認められませんでした」。
各地の人気蔵による「凍眠生酒」10銘柄は以下の通り。価格は4,290円~28,600円と幅広く、帝国ホテルのセレクトだけあって高級酒も少なくありません。同モールで販売されている料理とのペアリングも発表されました。
私が特に印象に残ったのは、こちら。
2種の生酒を自分好みにブレンド! 斬新な発想の出羽桜
吟醸酒の先駆けとして名高く、国内外で多くの受賞歴を誇る酒蔵「出羽桜酒造」。
「出羽桜酒造 別誂 凍結生蔵出 氷炎(ひょうえん) 」(290ml/2本組セット(清酒+オリ酒)/19,800円/山形県)は、清く澄んだ「清酒」と、“袋吊り”製法で搾ったままの薄く濁った希少な「オリ酒」2本のセット商品です。
2種を飲み比べできるのはもちろん、自分の好みや料理に合わせてアッサンブラージュ(調合)して、さまざまな味わいを楽しめる斬新な発想。ペアリング料理はパプリカ風味がしっかりした「雲収赤カリー」。
雄町8%精米! 世界最大級のワインコンテストで金賞受賞
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「富美菊酒造 羽根屋 DIAMOND雄町 8%精米 無濾過生原酒」(500ml/28,600円/富山県)、ペアリング:ハマオカ海の幸「酒のアテ 富山湾 汐ぶりとほたるいかセット」より「ほたるいか沖漬け」
「富美菊酒造 羽根屋 DIAMOND雄町 8%精米 無濾過生原酒」(500ml/28,600円/富山県)は、イギリスで開催される世界最大級のワインコンテスト「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2025」の純米大吟醸部門で金賞を受賞した特別な銘柄。
富山産の酒米「雄町」を8%までダイヤモンドのように磨いた前代未聞のお酒。すっきりとした味わいで、洋ナシとリンゴのアロマ、白い花などの香りが広がります。
「羽根屋」ブランドらしい八角形の美しい化粧箱は高級感があふれています。同じ富山産のほたるいか沖漬けとともに。
個性あふれる全10銘柄、あなたはどれを選ぶ?
他にも下記のような魅力的なラインナップがそろっています。
「南部美人 Frozen Beauty 純米大吟醸 生原酒」(300ml/14,300円/岩手県)
「凍眠生酒」の試験冷凍の段階から開発に加わって牽引してきたのが南部美人の代表取締役社長 久慈浩介氏。華やかな香りとりんごや梨のみずみずしさが魅力的。甘味・旨味・酸味のバランスがよく、余韻はしっかり。そこに帝国ホテル 第3代総料理長が部位を厳選した「黒毛和牛サーロインの生ハム」を口に入れると上質な脂が溶け、やさしい甘味が広がります。
「松井酒造 神蔵「リープ」氷面鏡(ひもかがみ)無濾過・無加水・生酒」(300ml/12,320円/京都府)
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「松井酒造 神蔵「リープ」氷面鏡(ひもかがみ)無濾過・無加水・生酒」(300ml/12,320円/京都府)、ペアリング:Paradice Gelato「無添加ジェラート詰合せ」より「ほうじ茶ジェラート」
江戸時代から続く京都の老舗酒蔵で、代表銘柄は「神蔵」。希少な酒米「野条穂」を使った、果実の香りをまとった米の旨味が濃醇な酒と、京都の酒米「祝」の酒、この2つの原酒を無濾過、生酒のまま氷点下で熟成させ、香りと味わいが成長したタイミングで調合(アッサンブラージュ)。さらに熟成させ、味わいにまとまりが生まれた瞬間を凍結させた限定品。米のふくよかな旨味と、生酒ならではの活きた酵母の躍動感に触れられます。
「李白酒造 李白 純米大吟醸 生酒」(300ml/4,290円/島根県)
海外輸出にも早くから着手しており、「李白」の銘柄で知られる酒蔵。山田錦を45%まで精米し、低温長期発酵させた純米大吟醸。 搾り始めの「あらばしり」部分を圧搾機のそばで瓶詰した鮮度抜群の生酒。穏やかな香りとふっくらしたやさしい味わいで、とても飲みやすいお酒。同じ「凍眠」技術で冷凍した、濃厚な「横浜ベーコン」とともに。
「土佐酒造 桂月 Frozen Sake Nature」(300ml/6,600円/高知県)
酒米作りから酒造りまで一貫して取り組む、「桂月」(けいげつ)ブランドで知られる酒蔵。土佐嶺北地方の棚田にて、有機肥料のみを用いて特別に栽培された酒造好適米を100%使用し、酒母を手作業で造る伝統的な「生酛(きもと)造り」で仕込んだ純米大吟醸酒。熟した洋梨や蜜のような華やかな香り、甘味の中にしっかりとした酸味があり、旨味の余韻が長く続きます。濃厚なほたるいかの沖漬けが好相性。
「清水清三郎商店 凍眠 作」(480ml/13,200円/三重県)
伊勢神宮のおひざ元にある、「作」(ざく)ブランドで知られる酒蔵。50%に精米した山田錦と、48時間かけて作った麹、そして何より決め手となるのが地元・鈴鹿の軟らかい水。同蔵初となる生酒がついに登場。すっきりとした飲み口、そして甘味ととろみがゆっくりと口の中に広がります。「黒毛和牛サーロインの生ハム」とともに。
このほか、スパークリングの「凍眠生酒」など魅力的な3種も。
搾りたての味わいが楽しめる「凍眠生酒」ばかりを贅沢に飲み比べしたり、記念日に向けて自宅で冷凍保存してスタンバイしたりできます。お中元や特別なギフトにもぴったり。ぜひこの機会にチェックしてみてください。
※ペアリング料理の画像はすべて帝国ホテル提供