福井県小浜市とクラウド漁業、KDDIは11月20日、小浜市漁業協同組合、福井県立大学と共同で、IoTを活用して鯖養殖の効率化を図る「『鯖、復活』養殖効率化プロジェクト」を開始すると発表した。

導入イメージ

小浜市は、2016年から鯖の食文化の新たな展開で産業振興や誘客促進による地域活性化を目的に「鯖、復活」プロジェクトを開始。2017年7月に、ICT/IoTの利活用による成功モデルの普及展開を図るため、地域の先導的な取り組みを推進する総務省の「情報通信技術利活用事業費補助金(地域IoT実装推進事業)」に「鯖、復活」養殖効率化プロジェクトとして採択され、公募によりクラウド漁業とKDDIらが受託者として決定した。今後、2018年2月のIoT実装に向けて、各社間で仕様を協議し、測定機器やアプリの開発など準備を進めていく。

同プロジェクトは、養殖いけすの水温、酸素濃度、塩分濃度を1時間に1回モバイル回線で自動的にデータをサーバへ送信するほか、給餌場所、給餌量、タイミングをタブレット入力によって管理し、漁師の経験と勘でなされているノウハウをデータ化。

具体的には、水温、酸素濃度、塩分濃度を1時間に1回測定可能なIoTセンサ「うみのアメダス」を設置することで、モバイル回線を経由し、船を出さずとも現地の状況の把握を可能とし、給餌場所、給餌量、タイミングをタブレット入力によって管理する「デジタル操業日誌」を導入し、漁師の経験と勘でなされているノウハウをデータ化するという。

うみのアメダス

デジタル操業日誌

各者の役割として小浜市はプロジェクト総括と事業評価、クラウド漁業は横展開に係るシステム設計・体制構築、業務フロー検討、事業評価、小浜市漁業協同組合は測定機器の会場設置・運用、鯖養殖に係る現場作業(基礎データの測定)、事業評価、福井県立大学は鯖養殖に係るデータ活用ノウハウの提供、効率的な養殖に向けた研究、事業評価、KDDIはIoT実装事業実施に係るノウハウの提供、横展開に係るシステム設計、測定機器、アプリケーションの提供を行う。

今後、蓄積されたIoTセンサーによる外環境データと漁師のノウハウデータの相関を分析することで、養殖の効率化を図り、後継者育成課題の解決に貢献していく考えだ。