凸版印刷とNTTドコモは11月7日、ブロードメディアGC(BMGC)の協力のもと、第5世代移動通信方式(5G)のモバイルネットワークを利用し、往時の情景を再現した高精細4KVRコンテンツを自動運転バスにリアルタイムに配信する公開実験を2017年11月9日から3日間、東京・お台場の日本科学未来館で開催されるイベント「見えてきた、“ちょっと先”の未来 ~5Gが創る未来のライフスタイル~」で実施すると発表した。

同実験は、ドコモが2020年の商用サービス開始を目指している5Gの「高速・大容量」「低遅延通信」といった特長を生かし、凸版印刷の高精細4KVRで再現した「江戸城」を、ディー・エヌ・エーが提供する自動運転バス「Robot Shuttle」にリアルタイムで伝送するというもの。車内の大型モニターや乗客の持つヘッドマウントディスプレイ、タブレット端末へ走行に合わせてVRを表示することで、現存しない江戸城天守を観光しているようなタイムトリップ体験を提供する。

実証実験でのVR配信イメージ

また、凸版印刷とBMGCは、今後5Gの普及とグラフィック演算処理のクラウド化が加速することにより実現が期待される、モバイル環境での高精細VRコンテンツの生成・配信について、その技術検証を行う。

実施期間は、2017年11月9日~11日の3日間で、実施場所は日本科学未来館「見えてきた、“ちょっと先”の未来 ~5Gが創る未来のライフスタイル~」内。

各社の主な役割として、凸版印刷はVRとGPSを連動させた観光情報を提供する体験型観光VRアプリ「ストリートミュージアム」の技術をもとに、独自の4KVRコンテンツ「江戸城」を用いた高精細VRコンテンツ配信を行う独自開発アプリの提供を通じて、配信技術の実証とサービス化に向けた検証を行う。

ドコモは、自動運転バスに無線で大容量データを届けることができる5Gの通信技術と実験設備を提供し、5Gの特長を生かした配信サービスについてさまざまな通信環境での検証を行う。

BMGCはクラウドゲーム配信システム「Gクラスタ」を活用し、凸版印刷と共同開発した高精細大容量インタラクティブコンテンツの配信技術開発ならびに有用性の検証を行う。