日本ヒューレット・パッカード(HPE)とNTTコムウェアは11月1日、両社のソリューション連携により、「Deeptector《産業用エッジAIパッケージ》」の発売を開始した。同パッケージは、エッジでのディープラーニング(深層学習)処理に最適化し、工場内での利用を想定した耐環境性能に優れた「HPE Edgeline」に、NTTコムウェアのディープラーニング技術を活用した画像認識AI「Deeptector」をプリインストールした製造業向けのソリューションパッケージとなる。

昨今、製造業での製品検査におけるComputer Vision(画像認識)を活用した生産性向上においても、ディープラーニング活用の期待が急激に高まっており、製品検査はオンプレミスでの利用ニーズが高い一方で、振動や極端な温度変化といった、工場の環境に適応する動作条件が求められている。

工場の厳しい動作条件下でも耐えうるオンプレミス型の同パッケージを提供することで、画像を社外に出すことなくAIを活用し、製品外観検査を自動化できるようになるほか、エッジで動作するためAIによる画像判定の際に中央のサーバに画像を送付する必要がないという。また、高速な画像判定処理ができるため、製造ラインのスピードにも対応し、IoTソリューションにおけるエッジコンピューティングのAI機能としても利用を可能としている。

同パッケージは、ソフトウェアのインストールやライブラリ類の組合せなどのわずらわしい作業は不要とし、学習用画像を用意すれば、すぐにAI作成を開始できるという。また、工場や配送センターなどの高温環境でも24時間運転可能なハードウェアであり、工場での運用を想定した仕様を選定している。

さらに、高いパフォーマンスを必要とする学習過程は「Deeptector」《クラウド版》で行い、作成されたAIを複数拠点に設置された「Deeptector」《産業用エッジAI パッケージ》にマルチキャストして判定機能をアップグレードするような連携も可能(「Deeptector」《クラウド版》の利用料金、ネットワーク費用は別途必要)としている。

HPEでは、NTTコムウェアのDeeptectorをエッジコンピューティングで実現する基盤としてHPE Edgelineを提供すると同時に、HPE PointnextではNVIDIAのOEM製品であるGPUと、GPU・OS・Edgelineが一体となった保守サービスも提供する。