NECは、住宅やビル等に分散して設置された多数の蓄電池を遠隔よりリアルタイムで制御する技術の開発に際し、関西電力の電力系統との連系を想定した実証試験を開始すると発表した。

実証試験の概要

同試験では、NECの開発した「階層協調制御方式・仮想統合制御技術」を用いて、蓄電池の利用用途を広げる同時マルチユースを実証する。「階層協調制御方式」は、蓄電池個々への出力分配の全体最適化とリアルタイム・同期制御を可能とする制御情報の配信方式で、「仮想統合制御技術」は、蓄電池個々の状態や台数、上位システムの要求に基づき、各蓄電池の出力を最適分配する技術。同技術を用いて、多数の蓄電池を遠隔より高速に充放電制御することにより、蓄電池本来の「利便性(エネルギーマネジメント、BCP対策等)」と、再生可能エネルギー導入時における電力系統の安定化に寄与する「周波数制御」を同時に実現する(同時マルチユース)制御技術の実証となる。この結果、需要家が従来の蓄電池の利便性を損なわずに蓄電池の未利用電力を有効活用することで、蓄電池の利用価値を向上させることを実現していくということだ。

階層協調制御方式

なお、2016度に行われた蓄電池同時マルチユース制御技術の開発について、研究成果の一部は、9月7日に行われる電気学会電力・エネルギー部門大会において論文発表される予定となっている。