日本ヒューレット・パッカード(HPE)は8月29日、顧客のハイブリッドIT環境への確実な移行を支援するため、エクイニクス・ジャパンが東京で運営するInternational Business Exchange(IBX)データセンター内において、PoC(Proof of Concept: 実証実験)環境の提供を開始した。

HPE Pointnext(80カ国2万5000人を超えるITエキスパートが、30の言語を通じてコンサルティングや設計、実装から運用サービスまで、各種サービスを提供する組織)は、世界中のパートナー企業と協力し、ハイブリッドITやクラウドコンピューティング、Intelligent Edge、IoTなど、さまざまなテクノロジー領域をカバーしている。

一方、エクイニクス・ジャパンはインターコネクション(相互接続)とデータセンターサービスをグローバルに展開する米エクイニクスのグループ子会社。東京および大阪市内で11拠点のIBXデータセンターを運営し、世界44都市で展開するインターコネクションプラットフォームにより、国内外の顧客およびパートナー企業との間で、相互接続できる環境を提供している。

今回、両社は連携し、強みを生かして、ハイブリッドITに対応したデータセンターPoC環境をリリース。エクイニクス・ジャパンのデータセンターにおいて、HPEがあらかじめ構築したハイブリッドITの基盤となる環境を利用することで、顧客は迅速にPoCを行うことが可能になるとしている。

また、両社によるサービス、オンプレミス環境を想定したPoCに加え、特にハイブリッドIT環境で問題となる回線に起因する性能検証を専用線の環境で実施できるため、事前検証の上、確実なハイブリッドIT基盤の選定を必要とする顧客に適しているという。

顧客のメリットとして「迅速なPoCへの着手」「月額利用料での一括請求」「最新のハードウェア環境を利用可能」「堅牢なデータセンター環境」「クラウド環境への高速でセキュアな接続(オプション)」「アドバイザリーとプロフェッショナルサービス(同)」の6点を挙げている。

迅速なPoCへの着手では、顧客はハードウェア購入の費用やタイムラグを考慮することなく、迅速なPoCへの着手が可能となり、利用単位は「ベアメタル」「仮想サーバ」で選択が可能。月額利用料での一括請求は、ハードウェア利用金額のみならず、顧客環境への回線料金や、データセンターでの運用費用を含め、ワンストップで支払いできる。

最新のハードウェア環境の利用が可能な点については、エクイニクス・ジャパンはHPE Partner Ready for Service Providers Program(協業契約を締結したサービスプロバイダのクラウドをHPEの営業が紹介・協業できるグローバルなプログラム)に参画しているため、PoC環境ではHPE製の最新ハードウェアを導入している。堅牢なデータセンター環境では、エクイニクス・ジャパンのデータセンターを利用することで、強固なセキュリティと高い運用信頼性を実現することができるという。

オプションサービスであるクラウド環境への高速でセキュアな接続に関しては、エクイニクスのデータセンター内で提供されるEquinix Cloud ExchangeやMetro Connectを介して、AWS Direct ConnectおよびMicrosoft Azure Express Routeを活用したAWS、Microsoft Azureなどパブリッククラウドサービスへの高速でセキュアなプライベート接続の利用を可能としている。

また、アドバイザリーとプロフェッショナルサービスは検証結果を活用し、顧客のIT環境最適化を支援。HPEがワールドワイドで有するコンサルティングの知見を活かし、ディスカッションサービスやアーキテクチャの設計支援、および、移行支援サービスをHPEが提供。オンプレミスやマネージド環境、パブリッククラウドなど複数の環境にワークロードを適切に配備することで、よりビジネスに直結したITの利用ができるという。