メルセデス・ベンツは8月25日、同社のスポーツ系サブブランド「メルセデス・ベンツAMG」のラインアップを拡充したことを発表した。

発表されたのは、ステーションワゴンタイプの「メルセデス AMG E 63 4MATIC+ステーションワゴン」、「メルセデス AMG E 63 S 4MATIC+ステーションワゴン」、ならびにセダンタイプの「メルセデス AMG E 63 4MATIC+」、12月22日までの期間限定注文品となる「メルセデス AMG E 63 4MATIC+ Edition1」、自社開発スポーツカー「メルセデスAMG GT」ベースのオープントップモデル「メルセデス AMG GTロードスター」および「メルセデス AMG GT C ロードスター」。また、同発表に併せて、6月に先行して発表だけされていたスポーツレーシングカー「メルセデスAMG GT3」で培った技術を盛り込んだ公道走行可能なレーシングモデル「メルセデス AMG GT R」の公開も行われた。今回のラインアップ拡充により、国内で販売されるメルセデスAMGは24車種46モデルとなる。

AMG E 63は、メルセデスAMG GTと基本設計を共通とする4LのV8直噴ツインターボエンジン「M177」を搭載。独自開発のさまざまな技術を搭載したことで、「メルセデス AMG E 63 S 4MATIC+ステーションワゴン」は、最高出力612PS(450kW)、最大トルク850Nm、0-100km/h加速3.5秒をを実現したとする。

「メルセデス AMG E 63 4MATIC+ステーションワゴン」

一方のロードスターは、安全運転支援システムの1つであるレーダーセンサによる先行車の認識と、追従機能のほか、先行車が停止した場合は減速して停止する受胎追従機能を加えた「ディスタンスパイロット・ディストロニック」を標準装備するなど、スポーツカーながら高い快適性も実現。

アコースティックソフトトップは、走行中でも時速50kmまで開閉が可能で、開閉動作は自動。所要時間は約11秒となっている。

搭載されているエンジンは4LのV8直噴ツインターボ「M178」。メルセデスAMGペトロナスのF1マシンでも使われている摩擦低減加工を施すことで、フリクションロスを低減するとともに、エンジンの軽量化を実現。このほかにもさまざまな最新技術を搭載したことで、GT ロードスターは最高出力476PS(350kW)、最大トルク630Nm、GT C ロードスターは最高出力557PS(410kW)、最大トルク680Nmを実現したとする。

「メルセデス AMG GT C ロードスター」

「メルセデス AMG GT ロードスター」

そしてメルセデス AMG GT Rだが、同社ではGTファミリの最先端を目指したモデルと位置づけており、運転することで、サーキットでの高揚感を得ることができるモデルだと説明している。

エンジンは「M178」を搭載しており、最高出力585PS(4350kW)、最大トルク700Nmを発揮し、パワーウエイトレシオ2.80kg/PS、0-100km/h加速3.6秒(欧州仕様車)を実現したとする

また、エアロダイナミクスの研究強化により、外観に施された工夫の部分で、飾りは1つもないと同社では説明している。例えば、新開発のアクティブ・エアロダイナミクス・システムは、エンジン前方の下部に設置されたカーボンファイバー製のウイングだが、RACEモードで時速80kmに到達すると、約40mmほど自動で下降し、気流を変化させ、ベンチュリ効果を生み出すことで、フロントアクスル揚力を時速250km時で約40kg低減させることを実現する。さらに、フロントバンパーの後端下部に電子制御式垂直ルーバーを搭載。電気モーターにより、約1秒で開閉することで、気流の改善を実現することを可能としたという。

このほかにも、さまざまなエアロダイナミクスの改善技術が施されており、これらの技術をすべて合わせたところ、最高速の際の面接触力がGT比で155kg増加したとする。

なお、各モデルのメーカー予定小売価格は以下のとおり(いずれも税込み)。

  • メルセデス AMG E 63 4MATIC+ 1650万円
  • メルセデス AMG E 63 4MATIC+ Edition1 1910万円
  • メルセデス AMG E 63 4MATIC+ステーションワゴン 1686万円
  • メルセデス AMG E 63 S 4MATIC+ステーションワゴン 1838万円
  • メルセデス AMG GTロードスター 1834万円
  • メルセデス AMG GT C ロードスター 2298万円
  • メルセデス AMG GT R 2300万円