国立循環器病研究センター(国循)は8月23日、大衛との共同研究で、冷蔵設備が不要で、内包された水袋を叩いて破るだけでマイナス10℃まで冷える「かるひえ瞬間冷却パック」を製品化したことを発表した。
医療現場では、救急搬送などの一刻を争う場面において、冷却した輸液を血管内に注入することにより低体温を導入したり、内頚動脈や大腿動脈など体の表面にある動脈を表面から冷却したりする治療が行われる。これらの治療は専用の医療機器や冷蔵設備が必要であるが、機器の準備に時間を要することや救急車および屋外で冷蔵設備が無い場合がほとんどである。
このたび製品化された「かるひえ瞬間冷却パック」は、国循が医療現場のニーズを集約・具現化し、大衛が製品として完成させたもの。冷蔵設備が不要で、内包された水袋を叩いて破ればいつでもどこでも手軽に冷やせる瞬間冷却パックとなっている。一般的な冷却パックとしての用途のほかに、循環器疾患、熱中症などを対象とした低体温・体温管理療法もターゲットとしている。
夏場の屋外でも瞬時に氷点下となり-10℃まで下がり、内容量が多いため保冷時間は40分間という長時間の継続が可能となっている。また、水袋が破れたことが確認しやすいように、透明な冷却パック中央部より青色に着色された水が確認できる構造になっている。使用後は冷凍庫に保管することで、液状の保冷材として再利用が可能だという。
さらに、専用の加圧バッグ(別売)との併用することで、常温で保管された輸液を急速に冷却することが可能。身体の一部に冷却パックを固定するための専用サポーターも発売が予定されている。