富士通エフ・アイ・ピー(富士通FIP)は8月8日、流通業界を中心に金融、製造など幅広い業界への展開を見据えたEDIクラウドサービス「TradeFront/6G(トレードフロント シックスジー)」の販売を開始した。サービスの提供開始は11月を予定している。価格は個別見積もり、5年間で250億円の販売を計画している。

「TradeFront/6G」の機能概要イメージ

新サービスは、同社が提供する流通業界向け企業間EC/EDIサービス「TradeFrontシリーズ」の後継サービス。従来の流通BMS(Business Message Standards)の基本機能を継承しながら、システムをクラウド基盤上に搭載し、新規取引先との接続を容易にする機能強化などを行った。

これによりユーザーは、EDIサービスの導入や運用におけるさまざまな負担が軽減されるとともに、信頼性や可用性が向上し安定したサービスを継続的に利用することが可能だという。

新サービスの特徴として「高い信頼性・可用性で安心・安全なサービス」「スピーディーで確実な取引先との接続」「富士通データセンター内の基幹システムなどとの容易な接続」の3点を挙げている。

高い信頼性・可用性で安心・安全なサービスについては、新たにクラウド基盤上にシステムを搭載したことで、リソースの拡張などが柔軟に行えることから、システムの保守や運用が容易になり、従来のサービスと比較して、信頼性・可用性が向上したという。流通業界のEDIを支援してきたノウハウと組み合わせることで、24時間365日、安心・安全なサービスを提供することができるとしている。

スピーディーで確実な取引先との接続に関しては、EDIの新規導入や新たな取引先との接続の際に負担となる取引先への説明、各種手続き、問い合わせ、テストなどを、同社のシステムエンジニアが顧客に代わり実施。これに加え、新たにユーザー自身でも簡単に接続仕様の登録やテストが可能な「セルフサービス機能」追加。接続時のユーザーのコストを軽減するとともに、短期間での接続を可能にするという。

富士通データセンター内の基幹システムなどとの容易な接続では、同グループのデータセンター間閉域網と接続された環境に構築。このため、データセンター内でユーザーの基幹システムが運用されている、あるいは富士通FIPの店舗発注管理サービスなどを利用していれば、新たにネットワークを敷設することなく、短期間かつ低コストでそれらのシステムとTradeFront/6Gとの接続できる。また、閉域網に接続されている各種サービスも簡単に利用を可能としている。