ハイパーギアは6月15日、社内のファイルサーバに追加導入するだけで、知財関連電子文書にタイムスタンプを自動付与し一元管理が行える、「WWDS知財アーカイブ」を7月1日に発売すると発表した。
企業活動のグローバル化が進み、特許出願・取得だけでなく、営業秘密の漏えい・不正二次利用の防止対策も含めた、包括的な知財戦略が必要となり、知的財産に関係する電子文書の保存、管理の重要性が増している。
企業にとって特許出願は、特許権が取得できれば、絶対的な排他的独占権を取得でき、競争者の特許侵害に対して差止・損害賠償が行え、高いメリットがある。しかし、特許出願には、出願から成立までに費用がかかり、特許権を取得できない場合もある。また、特許権が取得できなくても、1年半後には情報が公開されてしまうので、同業者に特許権取得前に模倣、利用されてしまうリスクもある。
自社のノウハウや独自技術を特許申請せず「先使用権」を活用して権利化するためには、タイムスタンプを利用し電子文書をいつ作成・保有していたかの証明が重要だ。
電子文書にタイムスタンプ付与するだけのツールだけでは、対象電子文書を一元管理し検索閲覧するための文書管理システムや、タイムスタンプの有効期限を管理し延長処理する方法を別途用意する必要がある。また、INPITタイムスタンプ保管サービスを利用する場合、タイムスタンプトークンの預け入れ情報や預入証明書PDFを、元文書と関連付けて保管する運用も考えなければならないという。
「WWDS知財アーカイブ」は、このような知財関連電子文書の管理課題を解決するための機能を提供する。
具体的には、文書名などの条件を指定して、該当電子文書のみタイムスタンプを付与できる。タイムスタンプはPDF長期署名仕様(PAdES)に対応し、10年間ごとのタイムスタンプ再付与により有効期間を延長するほか、タイムスタンプ有効期限を確認し、タイムスタンプを再付与が可能だ。
タイムスタンプ付与PDFから、INPITタイムスタンプ保管サービス登録するタイムスタンプトークンを抽出したり、INPITタイムスタンプ保管サービスからダウンロードした、タイムスタンプトークンの管理番号、発行日時、有効期限、預入日時・期限、預入証明書PDF、預入証明書最終発行日を、元文書に関連付けて保管できる。
また、文書管理専用の設定なしで、Webブラウザからファイルサーバ上のフォルダ、ファイルを閲覧できる。Active Directoryでフォルダに設定しているアクセス権限を継承し、閲覧権限の管理を行えるほか、ユーザの業務ルールに適したカスタム属性を登録することで文書ファイルを管理でき、属性値の条件を指定して検索ができる。