電通は6月8日、日本発のFinTechとして電子記録債権を活用したトランザクション・ファイナンス(事業受注に伴う資金調達)を提供するFinTech分野のベンチャー企業であるTranzax(トランザックス)に出資し、資本業務提携することで合意した。

Tranzaxは、サプライチェーン全体の金融コストを引き下げ、大企業に比べて資金調達の条件に厳しい中小企業やベンチャー企業に対し、新たな金融チャンスの創出を目指している。提携のきっかけは、電通グループがFinTech領域におけるR&Dプロジェクトの中核として運営する「The FinTech Center of Tokyo, FINOLAB」(以下、FINOLAB)に、Tranzaxが加盟したことにあったという。

両社は、互いが保有する顧客基盤とネットワークを相互に活用し、これまで以上に幅広い顧客企業に対して、金融とマーケティングの両面から、資金調達から取引先の開拓までを含めた企業の成長に寄与するコンサルティングや提案を行っていく。

また、Tranzaxが今後構築していく地方金融機関とのネットワークを活用することで、成長性を秘めた潜在顧客に対する営業機会を提供するほか、両社の強みを生かした幅広いソリューション提供や電子記録債権を活用した新サービスの開発を行っていくことで、中小・ベンチャー企業の成長や日本経済の活性化に貢献するという。

今後も電通グループはFINOLABを中心に、ベンチャー企業とのオープンイノベーションを通じ、第4次産業革命の経済基盤となるFinTech領域へのR&Dおよび事業開発を推進していく方針だ。