Webで購入したものはできるだけ早く手元に欲しいもの。しかし、このニーズを充たすための配送手配には、本人不在による再配達が増加し、宅配サービスに大きなシワ寄せが生じてしまう。消費という資本主義の大きな原動力を消さぬよう様々な試みがはじまっている。

都市マーケットで活躍する企業集団を目指すパルコは、出店テナントショップの店頭在庫を活用した取り置き&通販注文サービスサイト「カエルパルコ」を2014年5月からはじめており、ショップブログからエッジの効いた商品を購入できる仕組みを提供している。同社は、セゾン情報システムズが開発したブロックチェーン技術を使った"本人のみ受取り可能な宅配ボックス"をカエルパルコと連携させる実証実験を発表した。

セゾン情報システムズ

実証実験は、スタッフがカエルパルコに商品を発注し、宅配ロッカーへの配送を指定する。ブロックチェーン付き宅配ボックスに配送された商品は施錠され、購入者(スタッフ)がスマートフォンを使って解錠して商品を受け取るという流れだ。5月30日から6月9日にかけてセゾン情報システムズのオフィスビル内に設置した宅配ボックスを使って行うが、今秋9月ごろには池袋近辺の施設に宅配ボックスを設置し、施設利用者や就業者が池袋パルコの「カエルパルコ」で購入した商品を施設内で受け取る実験も予定している。

パルコでは、セゾン情報システムズのブロックチェーン付き宅配ボックスは、設置場所に応じて数十箱レベルまで自由にサイズを選べるため、様々な配送業者や小売り業者が利用するシェアリング型宅配ボックスの場合でも確実に納入・受領が記録できる点を利点として挙げている。また、同社が推進する「24時間パルコ」の商品受け取りチャネル強化につながるとともに再配達問題解消への一助になることを目標に段階的に実証実験を進めていきたいとしている。