日本ヒューレット・パッカード(HPE)は4月11日、ハイブリッドクラウドにおける無停止コンピューティングを実現するソフトウェア製品として「HPE Virtualized NonStop」を提供開始することを発表した。
近年、クラウドへのIT投資が加速し、従来型ソフトウェアに加え、クラウドと親和性の高いソフトウェアの普及が急速に進む中、オンプレミスとクラウドを組み合わせてシステムを配分するハイブリッドクラウドへの移行ニーズが高まっている。
こうした流れを受け、従来ハードウェアとソフトウェアを一体で提供していたフォールトトレラントサーバ「HPE Integrity NonStop」に加え、オペレーティングシステムやデータベースシステム、管理システムなどをソフトウェア製品としてHPE Virtualized NonStopを提供し、仮想サーバ環境で利用を可能とした。
新製品は、独自の「プロセスペア技術」により、障害時でもシステムを再起動することなく処理の継続ができるほか、仮想サーバ環境においてもプロセスペア技術を提供し、テイクオーバー機能により瞬時にバックアッププロセスが処理を引き継ぐため、サービスを停止させることがないという。
また、無停止システムの中核となる「HPE NonStop OS」および無停止対応のミドルウェアが仮想マシン上で稼働する。実行プロセスの冗長化、トランザクションの一貫性保持など、HPE Integrity NonStopのメリットを継承し、無停止ハイブリッドクラウド環境を実現する初めてのソリューションと位置づけている。
さらに、新製品はLinux KVM上で動作することに加え、NonStop Open System Management(OSM)が標準的なクラウド管理ツールのOpenStackと連動し、迅速な起動やリソース配備、構成変更を含むさまざまな自動化を可能としおり、今後はVMwareやHyper-Vにも順次対応を予定している。
加えて、無停止型データベース「HPE NonStop SQL/MX」を仮想化環境で稼働させることができ、ミッションクリティカルな要求に応える可用性に加え、仮想化環境ならではの俊敏性・柔軟性、クラウドでの運用を容易にするマルチテナント機能を提供するなど、無停止データベースクラウド基盤を指向するソリューションとなる。
そのほか、アプリケーション実行の最適化制御を行うTPモニターとして「HPE NonStop TS/MP」がOLTPアプリケーションの実行管理と制御を担い、超並列アーキテクチャにより拡張されたシステムリソースをシングルシステム・イメージで利用可能となり、ロードバランシング機能や並列処理スケジューリングでリソース内における複数アプリケーション実行の最適化を図り、仮想化環境でのサービスレベルでの無停止運用を実現するとしている。
HPEでは、新製品を推進するため「HPE Virtualized NonStop検証センター」を大島本社に設置し、顧客、パートナのアプリケーションの検証やベンチマーク、エンジニアトレーニングなどを強化していく予定だ。