富士通は3月31日、オンプレミスからクラウドサービスまで、さまざまな業態の業務システム環境に手のひら静脈認証機能を追加できる組込みソフトウェア「FUJITSU Security Solution 本人認証基盤 AuthConductor Server(オースコンダクターサーバ)」を4月から提供開始すると発表した。

AuthConductor Serverシステム構成イメージ

AuthConductor Serverは、「手のひら静脈認証 FUJITSU 生体認証 PalmSecure」を認証デバイスとして利用する利用者認証機能と、認証に利用する生体情報を統合的に運用・管理する機能を搭載している。社内業務システムを利用する企業内の職員の認証だけでなく、企業が提供するサービスの利用者の認証にも適用できるという。

また、従来の本人認証ソフトウェアは主にPCログオン認証など特定のセキュリティ用途が中心だったが、新製品では業務パッケージ連携やWebAPI利用により、銀行ATMや決済端末連携などさまざまな業態における顧客の複数の業務システムに手のひら静脈認証機能を組込める。業務システムごとに独立した個々の認証環境を構築できるため、環境に合わせた柔軟なシステム構築を可能としている。

さらに、個々の認証環境に格納されている生体情報を統合管理できるため、システムごとに手のひら静脈情報を運用管理する手間が不要となるほか、電子政府推奨暗号リスト(総務省および経済産業省が策定した電子政府における調達のために参照すべき暗号リスト)で推奨されている暗号方式の採用や、生体情報を格納しているDBの分散化など、高度なセキュリティ技術の採用により、生体情報をセキュアな管理技術で保護しているという。

同社では新製品の導入により、手のひら静脈情報を統合的に運用・管理することを可能とし、顧客が保有するシステムの複数の業務間で本人認証を統合することが可能なほか、従来の磁気カードやICカードでの認証を手のひら静脈認証へ変更することが容易になるため、銀行ATMやクレジットカード決済のカードレス化の推進に寄与するとしている。

今後、金融分野だけでなく、入場ゲート、自動精算機など、産業機器分野への適用も拡大していく。加えて、同社のクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」上で、数万人以上の大規模な利用者の生体情報に預かり、顧客のシステム利用者をリモート認証するクラウド型手のひら静脈認証のサービス化を検討していく。

価格は個別見積もりとなり、販売目標は今後3年間で5億円(関連ソフト・SIを含む)を計画している。