KPMGコンサルティングは3月28日、企業の「働き方改革」と「生産性の向上」を実現するロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)に関連したコンサルティング業務を専門に扱う新組織を発足し、4月1日より業務を開始すると発表した。

RPA専門組織を立ち上げることで、これまでSSOA(シェアードサービス・アウトソーシング・アドバイザリー)部門が扱う業務の一部と位置付けていたRPA支援サービスを強化し、RPA関連業務の取り込みを行う。RPA専門組織は、2019年度中に200名体制とし、100社からの受注を目指す。

RPA・Digital Labor導入の進め方

RPAは、ホワイトカラーの定型業務を自動化するものや、AI(人工知能)を利用して非定型業務を自動化するもので、人間の労働者の補完する「デジタルレイバー(仮想知的労働者)」とも呼ばれている。国内の労働人口の減少や、日本政府が推進する「働き方改革」の実現においても、その一部を担う重要なツールとして、RPAを導入する企業は今後急速に増えると考えられている。

KPMGコンサルティングでは、2020年に国内におけるRPA/AI関連コンサルティング・導入市場は、1兆4千億円規模になると予想。同社では、経費精算や買掛金業務といった経理部門の業務をはじめ、契約申込処理業務や36協定チェック業務など、バックオフィス及び事業部門の定型業務を自動化する「Class1」と言われるRPAを、国内外のRPAベンダー企業と連携し、金融業界、保険業界、テクノロジー業界、エネルギー業界、製造業、官公庁など、20社を超える企業や組織に対し、導入から運用ポリシーの構築までの支援サービスを提供してきた。

RPAの段階と主な適用領域

RPAの導入を検討する企業や組織が急速に増える中、KPMGコンサルティングでは、RPAの専門組織を立ち上げることで、これまでのClass 1導入支援サービスをさらに拡充するとともに、業務改革の視点を取り入れ企業や組織全体の「デジタルトランスフォーメーション」を実現するデジタルツールとして、生産性の向上を含む業務改革における効果の最大化を目指す。

今後、すでに開始されているディープラーニングや自然言語処理といったAI技術の活用をさらに進め、今後数年内に非定型業務や例外業務の自動化を実現するClass 2の本格導入に向け、RPAベンダー企業との連携を強め、早期導入の実現を目指していくという。