ダイキン工業は3月22日、同社の技術開発拠点であるテクノロジー・イノベーションセンター(TIC)において、ソフトバンク・テクノロジー(SBT)ならびに青山商事の100%子会社である青山キャピタルと共同で、ベルトに装着するクリップ状のIoTデバイスを用いて、職種や職場環境と人が感じるストレスの関係性などに関する実証実験プロジェクトを行うことを明らかにした。

同プロジェクトは、IoTを労働者の健康管理や快適な職場環境づくりのニーズにマッチさせることを目的に、ベルトに装着可能なクリップ状のIoTデバイスを被験者に装着してもらい、身体活動情報、心拍情報、ストレス度、睡眠情報などをリアルタイムで計測。これらのデータをクラウド上に蓄積し、分析を行うことで、職場環境とストレス度の相関や、就業時のストレス度と就寝時の睡眠状態の相関などの解明を目指すという。

主な検証項目としては、「ベルト装着型IoTデバイスで測定した生体情報の精度」、「職種や職場環境とストレス度の相関」、「ストレス度と睡眠の深さの相関」の3つ。こうして得られたデータから、ダイキンでは、人のストレス度に応じた空調の自動制御技術の開発や、快適性だけでなく、生産性も向上するオフィス空間の創造など、空気や空間における新たな価値の創出を目指すとしているほか、SBTでは、生体情報の蓄積から分析結果を可視化できるセキュアなクラウドプラットフォームと、IoTデバイス管理と制御用ソフトウェアのセキュアな更新のノウハウの取得を目指すとしている。

なお、実証実験は2017年7月より開始する予定で、用いられるデバイスは内蔵されたチューブ式空気圧センサにより、体の微かな振動を検知し、心拍、呼吸、体動などの生体情報を抽出することが可能なものとなっており、これにより、身体活動量、心拍情報、ストレス度、睡眠情報の4つのデータを一度に取得することが可能になるとしている。

今回のヘルスケアプロジェクトに用いられるIoTデバイスの外観。右はチューブ式空気圧センサの概要