タレントのタモリが17日、東京・渋谷のNHKホールで行われた「第68回NHK放送文化賞」の贈呈式に出席。現在放送中の同局の番組『ブラタモリ』(毎週土曜19:30~)について、「無謀な行為」と紹介しながら、受賞の喜びを語った。

NHK放送文化賞を受賞したタモリ

記念のブロンズ像を贈呈され、あいさつに立ったタモリは、まず「NHKホールは去年の大みそか、マツコ・デラックスとその辺でウロチョロしておりまして、その節は大変失礼しました」と、昨年の『紅白歌合戦』での"寸劇"に触れて第一声。「番組としてはNHKが一番古い付き合い」だと言い、「デビューして2~3年の頃だったか『テレビファソラシド』という番組がありまして、これをレギュラーとして出させてもらいました」と説明した。

その頃の自身について「今で言うと江頭2:50と同じような扱いでして、『あれは何するか分からないから、番組に呼ぶな』という風潮だった」と自虐的に振り返り、そんな中でもNHKが"無謀な行為"でレギュラーに起用したと述懐。

当時一番印象に残ってる出来事として、「私、非常に気が弱い方でして、OAの次の日にスタッフにどういう抗議が来ているのかを聞きましたら、『"テレビファソラシド"は間違いです。正しくは"ドレミファソラシド"です』ということで、ちょっと腰が抜けたような感じでした」と、エピソードを明かした。

今回は、『ブラタモリ』で地理・地学とエンタテインメントを融合した新たな教養番組のスタイルを確立したことや、『ウオッチング』『NHKスペシャル「驚異の小宇宙・人体」』といった科学分野の番組にも数多く出演することなどが評価されての受賞。

タモリは『ブラタモリ』について「地学・地質というマイナーな分野と、歴史を合わせて街をブラつく。出てくるのは、私と、ほどんど誰も知らない新人アナウンサー、テレビにほとんど出たことがない"土地のオヤジ"。この3人で、しかも土曜の夜7時半からやっているという、またしても無謀な行為」と、ここでも自虐的に紹介しながら、「評判が良くて、最近そこかしこでちょっとほめられるようなりました」と、ご満悦の表情で、「本当にうれしく思っております。番組のスタッフに、深く感謝申し上げます」と、あいさつを締めくくった。

同賞は、女優の三田佳子も受賞。大河ドラマ『花燃ゆ』(2015年)や、ドラマ『忠臣蔵の恋』(16~17年)などでの活躍も含めて評価されたことに、「過去の功績だけではなく、今現在やったことを認めたいただいたことに、すごくうれしく思っています」と、喜びを語った。

「NHK放送文化賞」は、1949年に創設され、放送文化の向上に功績のあった人を顕彰するもの。今年は、タモリと三田のほか、作曲家の加古隆氏、阿部勝征東大名誉教授(故人)、安藤真東工大副学長、矢島稔群馬県立ぐんま昆虫の森名誉園長が受賞した。