佐賀県、佐賀大学、佐賀県有明海漁協、農林中央金庫、NTTドコモ、オプティムの6社は、佐賀有明海域における主要産業である「ノリ養殖」におけるIoT/AI/Robotの活用を行うべく、6者間連携協定を締結した。

協定では、ドローンやICTブイ、スマートフォンなどのIoT機器の活用や、それらの機器から取得されたデータをビッグデータとして、AIを用いて解析を行い、ノリ養殖の品質および収量の向上、病害対策、海苔漁家の作業軽減などの課題解決に役立てる。

6者は協定に基づき実証実験を進め、ノリ病害や赤潮に対しての発生予測や対応策の検討を行う。実験においては、LPWA・セルラー通信機能搭載固定翼型ドローン「オプティムホーク」や、NTTドコモが提供するICTブイなど最新のIoT機器の活用、AI(人工知能)を用いたビッグデータの分析を予定している。

「オプティムホーク」

病害対策(アカグサレ病等)においては、ICTブイから取得されたセンサーデータならびに、ドローンにより取得した空撮画像をビッグデータとして「OPTiM Cloud IoT OS」上に蓄積・管理し、AIを用いて解析を行うことで、秋芽網期のノリに発生しやすいアカグサレ病をはじめとする各種病害の発生しやすい状況を検知し、この情報を漁業関係者へ案内する。

赤潮対策では、固定翼ドローンを用いて取得した空撮画像を「OPTiM Cloud IoT OS」上に蓄積し、赤潮発生個所をマップ化することで、赤潮の広域的な発生状況を漁業関係者へ案内し、対策を講じる。また、ICTブイから取得された水質データを「OPTiM Cloud IoT OS」上に蓄積し、AIを用いて赤潮の発生状況と各種水質データの因果関係を分析する。

そのほか、養殖中のノリの葉体が1cm前後を残して消失してしまう「バリカン症」が発生し、その原因として、カモの食害によるものと、水あたりによる生理障害があることから、ノリを食べるカモを追い払う対策として、ドローンや音、エサなどを用いて対策を行っていくほか、ICTブイから取得されたセンサーデータから、海水の塩分濃度などの環境状況を調査し、もう一つの原因である水あたりによる「バリカン症」が発生する条件などの調査を行う予定だという。