日本ヒューレット・パッカード(HPE)は3月9日、小規模システム向けの新サーバ「HPE ProLiant Thin Micro TM200(以下、HPE ProLiant TM200)」の提供を同日より開始すると発表した。

「HPE ProLiant Thin Micro TM200」

HPE ProLiant TM200は、W254×D254×H48.5mm(重量2.83Kg)と、「HPE ProLiant」シリーズの中でもっともコンパクトなサイズで、スタンドや壁掛けなどの設置オプションにより、利用シーンに応じて様々なスタイルで設置できるのが特徴。

様々なスタイルで設置

チップはプロセッサに加え、IOコントローラを搭載したSoC構造となっており、これにより小型化と低消費電力を実現しているという。

この製品はSMBをターゲットにしているサーバだが、同社 データセンター・ハイブリッドクラウド事業統括 DCHC製品統括本部 サーバー製品本部 前田裕貴氏は「利用シーンに合わせて選べる設置スタイルがこの製品の特徴で、設置場所の確保に悩む企業(SMB)の課題を解決できる」と語る。

「HPE ProLiant TM200」を前に語る、データセンター・ハイブリッドクラウド事業統括 DCHC製品統括本部 サーバー製品本部 前田裕貴氏

また同氏は、ProLiant共通のパーツを採用し、OSもサーバ用、仮想化ハイパーバイザーや遠隔操作や障害監視ができるiLO4(Integrated Lights-out 4)の管理チップを搭載し、PCとサイズは変わらないがサーバクオリティの製品だと説明する。

同社ではこの製品を単体でも販売するが、メインは、パートナーが自社ソリューションをを搭載し、セットソリューションとして販売することを想定している。

前田氏は例として、クラウドバックアップソリューション、ハイブリッドマネージメント、セキュリティゲートウェイを挙げた。

クラウドバックアップソリューションとしての利用例

セキュリティゲートウェイとしての利用例

データセンター・ハイブリッドクラウド事業統括 DCHC製品統括本部 統括本部長 本田昌和氏

同社はこれにより、SMBのクラウドとオンプレミスとのハイブリット化を促進したい考えだ。

同社 データセンター・ハイブリッドクラウド事業統括 DCHC製品統括本部 統括本部長 本田昌和氏は、「お客様のIT投資では、IoT向けエッジコンピューティングとハイブリッドITが急成長している。(日本の)HPEのポジションは、パートナーとのソリューション協業を推進することで、ハイブリッドITをシンプルにしていくことだ。そのためには、大企業でなくてもハイブリッドのメリットを教授できるソリューションを提供していくことが必要だ」と、今回のサーバ提供の狙いを説明する。

HPEのポジション

執行役員 エンタープライズパートナー営業統括 エンタープライズアカウント営業統括本部 統括本部長 佐藤真人氏

また、同社でパートナー営業を統括する 執行役員 エンタープライズパートナー営業統括 エンタープライズアカウント営業統括本部 統括本部長 佐藤真人氏も「いかにパートナー製品と連携して売っていくかが、この製品のキーになる」と語る。

そこで同社では、「HPE ProLiant TM200」の販売促進策として、検証機貸し出しプログラム、開発・デモ用機械割引プログラム、HPEのウェブサイトへの掲載、HPEによるプロモーション、販促物の作成支援、セミナー・イベントの費用支援などをパートナー向けに提供する。

「HPE ProLiant TM200」の販売促進策

なお、「HPE ProLiant TM200」には、Xeon D-1518 2.20GHz、8GBメモリ ディスクレスの「HPE ProLiant TM200 (Xeon D-1518)」と、Xeon D-1537 1.70GHz、8GBメモリ、ディスクレス モデルの「HPE ProLiant TM200 (Xeon D-1537)」があり、価格(税別)はそれぞれ171,000円と212,000円になる。