アジレント・テクノロジーは3月9日、バイオ医薬品開発向け液体クロマトグラフ/四重極飛行時間型質量分析装置(LC/Q-TOFシステム)「Agilent 6545XT AdvanceBio」を発表した。
バイオ医薬品の開発には、「サンプル前処理」「LC分離」「MS検出」「データ解析&レポート出力」といった工程があり、アプリケーションとしても「インタクトプロテイン」、「抗体サブユニット(mAb)」、「ペプチドマップ」など広範囲にわたり、それらの成分を分析する必要があり、同製品はそうしたニーズの中でも低分子から高分子まで幅広く対応することを目的に従来機種「6450B Q-TOF」をベースとして開発されたものとなる。
具体的には、TOFの真空度を従来機の10-7から10-8へと向上させたほか、質量範囲も最大20Kから30Kに拡大。ダウンタイムの削減のためのゲートバルブの採用はもちろんのこと、Dual-Agilent Jet Sample(AJS)の搭載のほか、低分子から高分子まで設定を手軽に実現できる「SWARMチューニング機能」の採用やデータ取り込みを高速化する「AutoMS/MS」の速度向上なども図られている。
実際に、パートナーの現場で実際に行った試験では、1回の注入で1μgのmAbを6000回以上注入(1回の分析時間は5分)しても、23日間の連続稼働でも感度低下は発生しないことが確認されたという。
このほか、付属ソフトとして、抗体の配列を確認するためのソフトウェア「BioConfirm」(抗体-薬物複合体のDARを計算する「DAR Calculator」も含む)が付属するほか、検体数の多いルーチン分析に最適なWakeupソフトもサポートするとしている。
なお、受注は即日開始をしているが、出荷に関しては2017年の第2四半期(5月ころ)を予定しているとのこと。価格は6000万円(税別)からを見込んでいるという。