NECと産総研、宇宙での高性能演算処理実現に向けた高放射線耐性FPGAを開発

NECと産業技術総合研究所(産総研)は3月7日、宇宙でのLSI利用に向けて、高い放射線耐性を有する独自の金属原子移動型スイッチ「NanoBridge」技術を搭載したFPGA(NB-FPGA)を開発したと発表した。

一般的なFPGA大手が手がける製品はSRAM型と呼ばれており、人工衛星などの宇宙環境で利用する際に、放射線の影響でSRAM内に書き込まれた回路情報が変化し、誤作動の要因となることがある。これに対しNanoBridgeは、固体電解質中に形成される金属(銅)原子の架橋の有無を信号のオン・オフに利用しており、オン・オフ状態は電圧を切っても保持され、これは放射線の入射で発生した電荷の影響を受けないため、放射線が飛び交う宇宙環境においても、NB-FPGAの回路の書き換えが起こる可能性が低く、高い信頼性を実現できると考えられている。

研究グループは、実際に地上の放射線環境下で64×64セルのチップに8000LUTを実装したNB-FPGAを用いて動作実証を実施。その結果、NanoBridgeのオン・オフが放射線の照射前後で変わらないことを確認したとのことで、NECでは、SRAM型FPGAと比較して、NB-FPGAでは放射線によるエラー発生頻度を1/100以下にできると予測したとしている。

なお、NECとJAXAは、平成30年度に打ち上げる「革新的衛星技術実証1号機」にNB-FPGAを搭載し、実用性と信頼性を検証する予定で、具体的には、宇宙の過酷な環境下で、カメラで撮影した画像をNB-FPGA(37000LUT)で圧縮処理し送信する実証実験を行う予定だとしている。

左がNanoBridge技術の動作原理、右がNB-FPGAのチップ写真

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