NECディスプレイソリューションズは2月27日、プロフェッショナルプロジェクター「ViewLight PAシリーズ」として同社初となるレーザー光源の三原色液晶シャッター投影方式を採用したWUXGA(1920×1200)モデル「NP-PA803ULJL」(8000lm)、「NP-PA653ULJL」(6500lm)を発表した。

2製品はともに、液晶方式ながら、システムボックスの内部に液晶パネルで発生した熱を受け止めるためのヒートレシーバ、外部に放熱のためのヒートシンクを配置し、その間を熱伝導性の高い銅で接続することで、密閉循環型冷却方式ながら熱問題を解決。これによりメンテナンスの課題となっていたフィルタを不要化したほか、光学性能に影響する光学エンジン、光学ユニットも同ボックス内に配置することで、防塵性も確保。フィルタ有りの液晶方式プロジェクタに比べメンテナンス性を向上させたとしている。

密閉循環型冷却方式のイメージ。鉄製のヒートレシーバで液晶パネルで発生した熱を受け止め、ボックス外のヒートシンク(鉄製)と銅プレートを介して熱を交換。外部で冷やされた熱は再びヒートレシーバへと送られ、内部のクーリングファンにより液晶パネルへと供給され、冷却に用いられる

また、レーザー光源を使用した際のリスクグループ(RG)も、競合他社は安全処理を行う法的義務が危機管理者や設置業者に発生するRG3だが、レンズの工夫などにより、そうした義務が発生しないRG2を実現、取り扱いの容易さも向上させている。

さらに、HDBaseTの入出力端子を装備しているため、映像や音声信号のみならず、制御信号もデイジーチェーンでの伝送が可能。最大4台までの接続ができるため、4K表示が可能であり、その際に活躍するデジタルデイジーチェーン接続による2×2の4面マルチ構成時での複雑なマルチ設定が自動でできる"タイルマトリクス機能"や画像の境界を目立たなくさせる"エッジブレンディング機能"なども搭載されている。

なお、2製品ともにターゲットとしては、一般企業の大会議室や学校の大講堂としており、価格はオープンながら、想定価格としてはNP-PA803ULJLが約120万円、NP-PA653ULJLが約110万。レンズもオプションとなっており、こちらもオープン価格ながら、想定価格としては、短焦点レンズ「NP40ZL」が約30万、標準品となる「NP41ZL」が約13万、長焦点レンズ「NP42ZL」が約30万円となっている。また、出荷はNP-PA653ULJLが5月中旬、NP-PA803ULJLが8月上旬としている(NP41ZLは即時出荷が可能だが、NP40ZLおよびNP42ZLは5月の出荷予定とのこと)。

標準レンズNP41ZLを搭載したNP-PA803ULJLの外観