KPMGコンサルティングは2月17日、KPMGが世界24カ国の消費者約7千人を対象に実施した「消費者プライバシーデータに関するグローバル意識調査2017」の調査結果を発表した。これによると、消費者がプライバシー・データを守るために取っている防御策ではクッキー削除が最も多く、過半数が企業による個人データの取り扱いや利用方法を懸念しているという。

消費者がプライバシー・データを守るために普段用いている防御策

同調査では、生活に密接に関わるITやIoT機器が消費者の意思やコントロールを超えて個人データを収集し続ける現代社会において、本来は身近で役立つ存在であるべき個人データが、消費者にとって不快でプライバシーを侵害する存在にどのような時に変わるのか、その境界線が現在どこにあり今後どのように変化するのか、規制当局の動きや企業が取るべき課題や対策に踏み込んだ分析・調査を行った。

プライバシー・データを守るために普段どのような防御策を用いているかを尋ねたところ、約60%の回答者がWebブラウザのクッキーを削除している。企業が無差別的に個人データを収集することについて、消費者は不快に感じ始めており、プライバシーを保護する具体的な行動を採り始めていると同社は見る。

また、回答者の56%が、企業による個人データの取り扱い及び利用方法について「懸念している」または「非常に懸念している」と回答しており、55%がプライバシーに関する懸念を理由にインターネットでは買い物をしないことを決めたと答えている。

消費者が容認する個人情報の用途

消費者が個人情報の提供をどこまで容認できるかは、プライバシー・データを提供する対価の大きさに依存すると同社は見ている。

単なる情報提供や広告を目的とする場合には、回答者の84%が許容できないとしている。その一方で、政府機関がテロと戦うために個人データを収集するのは構わないという回答は49%に上り、救急サービス会社が自分の車を追跡可能にするテレマティックス装置の使用については容認できるとの回答が78%を占めた。

消費者がプライバシー・ポリシーを読む度合の国別比較

プライバシー・ポリシーについて、全体平均では57%がWebサイトを開く時に全く読まなかったり、ざっと目を通したりするだけで済ませているという。

企業は、顧客データを用いて何をしたいのか、顧客データをどこにどのように保存するのかを簡潔に説明する必要があると同社は指摘する。