着るだけで心拍数などの生体情報を取得できるウエアを活用するリハビリ支援システムの実証実験を、藤田保健衛生大学(愛知県豊明市)と東レ、NTTなどの共同研究グループが7日開始した。患者の負担が少なく効果的なリハビリが狙いという。

図 「リハビリ患者モニタリングシステム」システム構成(藤田保健衛生大学など共同研究グループ作成・提供)

共同研究グループが「リハビリ患者モニタリングシステム」と呼ぶこのシステムは、東レとNTTが開発した心拍数などの生体情報(心拍データ)を検出できる特殊な繊維「hitoe®(ヒトエ)ウエア」を活用する。これを患者に着用してもらい、データ送信機器やデータ参照機器(専用ビューワー)と組み合わせることで病院のリハビリ科などに通院、入院中の患者の状態を24時間モニタリングする。

このシステムは、患者のリハビリ一回ごとの心拍データの変化やそれまでの心拍データの経過などを確認できる。このため担当医が効果的なリハビリを立案できるほか、理学療法士や看護師が持つスマートフォンなどの端末にデータを送ることで理学療法士らが患者の状態を確認しながら適切なリハビリ指導ができるという。

計画では、藤田保健衛生大学病院でまず健常者を対象にシステムの効果などを確認する。その後、年内に通院、入院患者合わせて60人を対象に本実験を行う。3年以内の実用化を目指すという。

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