米Googleは2月7日(現地時間)、機械学習を活用したG Suite向けの業務アシスタント「Google Cloud Search」を発表した。

Cloud Searchは昨年6月にアーリーアダプター向けプログラムの提供を開始した「Springboard」の正式製品である。メール、ドキュメント、スプレッドシート、プレゼンテーションスライド、フォーム、内部サイト、コンタクトなど、G Suiteに含まれる情報やデータを包括的に検索し、またGoogle Nowのように時間や場所、ユーザーの行動に応じて、ユーザーが必要とする情報やドキュメントなどを先回りして用意するプロアクティブなアシスタント機能を備える。

スマートフォンやノートPCでCloud Searchアプリを開くと、その状況に関連する情報がアシストカードというシンプルなカードに整理されて表示される。たとえば、ミーティングが近づいてきたら、出席者や場所などミーティングに関する情報、そのために確認しておくべきドキュメントなどがアシスタントカードにまとめられる。

次のミーティングのアシスタントカード(左)、詳細情報に進むと準備しておくべき資料などのリスト、タップして資料を確認(右)

McKinseyによると、一般的なナレッジワーカーは労働時間の20%を情報の検索と整理に費やしている。必要なタイミングに、必要な情報やデータを提供するようにデザインされたCloud Searchは、ユーザーの行動を学習しながら的確なサポートを提供できるように成長する。アシスタントカードを活用することで、情報検索と整理に使う時間を短縮して効率的に仕事を進められるようになる。

統合検索機能は、たとえばコンタクトを検索すると、メールアドレスや電話番号など連絡先情報、メールなどのやり取り、関連するイベントやドキュメントなどを一カ所で確認でき、メール送信や電話、Hangoutといったアクションもワンタップで起こせる。Cloud SearchはG Suiteのプライバシーポリシーに従っており、検索から引き出される情報や共有できるファイルなどはアクセスが許可されたものに限られる。

Cloud Searchは、7日よりG Suite BusinessとG Suite Enterpriseへのロールアウトが始まった。Cloud Searchはまだ初期段階であり、これから様々な機能を追加する計画があるそうだ。たとえば 、昨年7月にGoogleはBoxとのパートナーシップで、Google DocsやSpringboardとBoxの連携を実現したが、そうしたサードパーティのアプリケーションの統合も実現する。