パナソニックは19日、IoTと調理家電を活用し、新たに食のサービス事業を開始することを発表した。第1弾として、2017年4月より本格焙煎を提供するコーヒーサービス事業「The Roast」を展開する。

最適な調理方法を「プロファイル」として提供

同サービスでは、食材に関わるプロのノウハウをデータ化した調理方法や保存条件をまとめた「プロファイル」、生産者/生産地を表示した「食材」、「専用機器・アプリ」をセットで提供し、生産者や専門家の「匠の技」を家庭で手軽に再現可能にするという。

事業立ち上げにあたり、同社がこれまで調理家電の開発で培った食材加熱制御、センシング、材料などのコア技術やスマート家電のクラウド活用技術などを同サービスのために結集。「プロファイル」は外部パートナーとの連携で開発する。

ユーザーは、調理を行う「プロファイル」をクラウド経由でアプリへダウンロードし、それに沿って専用機器の操作を行うことで、高度な技術や経験に裏づけされた専門家の「匠の技」が再現された料理や飲み物を簡単に完成させることができるとしている。

このサービス立ち上げの背景には、食に対するこだわりの多様化、生産者の顔が見える安心できる食材への関心、高級総菜などに代表される有名店やプロの料理人による洗練された味を自宅で手軽に楽しみたいというニーズがあるとのことだ。

今後は和食など多方面にサービスを拡大

また、アプリ上では各生産者・専門家のこだわりや想い、産地や素材のバックグラウンドなど、食材に関するストーリーを入手することも可能。食材・プロファイル・ストーリーは季節などに応じて随時追加されるため、専用機器購入後も、生産者・専門家のさまざまな調理・保存ノウハウを継続して試すことができる。

今後も、同社は和食をはじめ地域やジャンルを問わず多方面の食に携わる生産者・専門家とのパートナーシップを構築し、サービス内容を拡大する方針。将来的には、使用履歴やユーザー情報など、生活者の食に関するデータの活用や、生産者・専門家、生活者の知見・体験談などの共有や交流ができるコミュニティを構築することで、新しいビジネスの創出も目指す。