7カ月前にブランドアイデンティティを刷新するプロジェクトを開始したMozillaが、1月18日(米国時間)に新しいMozillaのロゴを公表した。

Mozillaの新しいロゴ

オープンかつ自由で透明性のあるインターネットを目指すMozillaは、その理念を伝えるブランディングを行うために、ロゴ、表現、デザインを新たにするプロジェクトを開始した。その方針はロゴデザインにも反映され、デザイン候補や選考プロセスを公開して広く意見を集め、議論を喚起するオープンな方法で進められていた。

昨年8月に7つに絞り込まれたデザイン候補は、カラフルなデザイン、立体的なデザイン、「オープン」や「可能性」といった意味を込めたデザインなど様々だったが、最終的には「Protocol」と呼ばれた最もシンプルなデザインが選ばれた。

7つに絞り込まれたデザイン候補

Protocolは、Mozillaの「ill」の部分がURLに含まれる「://」に置き換えられている。Mozillaがインターネットに根づいた組織であることを示し、リンクを通じてコンテンツが豊かに広がるインターネットのオリジナルアイディアを反映したデザインでもある。

ロゴにはTypothequeがデザインしたZillaという無料で公開されているフォントが用いられている。コーディングで歴史的に使われてきたCourierに似た書体であり、またインターネットを前進させる議論に通じるジャーナリスティックな雰囲気を備えたフォントである。

シンプルなロゴにした理由の1つはアレンジのしやすさだ。例えば「We stand for the internet」というようなメッセージと組み合わせたり、「Emerging technologies」というようなプロジェクトを表す言葉と組み合わせてもまとまりが良い。Zillaは英語以外の言葉とも相性が良いという。Firefoxはキツネのワードマークで知られるが、イラストを組み合わせたブランディングも展開しやすくなる。

Protocolのオリジナルデザインは「Moz://a」というようにMが大文字だった。最終デザインが「moz://a」になったのは、URLを現すなら小文字にするべきだというフィードバックがあったためだ。一方で、これからのブランディングで「http://」にとらわれるのは古いと、Protocolのアイディアそのものを否定する声も少なくなかった。全ての人を満足させることはできない。だが、自由に考えを述べられる場があることで議論も理解も深まる。それはインターネットも同じであり、オープンなデザインプロセスは大きな成果であったとブランディングプロジェクトを担当するTim Murray氏は述べている。