新潟県・糸魚川市などは12月26日、同市小滝で採集された岩石から、約4億2000万年前の古生代シルル紀という時代を示す放散虫化石を発見したと発表した。これまでに新潟県内で発見されている最古の化石は、約4億年前の古生代デボン紀のサンゴ化石であり、今回の発見はそれをさらに2000万年ほど遡る新潟県最古の化石記録となる。
同成果は、糸魚川市フォッサマグナミュージアム 茨木洋介学芸員、新潟大学 松岡篤教授、産業技術総合研究所 地質調査総合センター 伊藤剛研究員らの研究グループによるもので、2017年1月27日~29日に早稲田大学で開催される「日本古生物学会第116回例会」において発表されるほか、2017年3月31日出版予定の新潟大学理学部紀要「Science Reports of Niigata University (Geology)」に掲載される。
同研究グループは今回、小滝の瀬野田から河原の大きな転石として採集された礫岩試料の一部に対して酸処理を行い、含まれていた珪質岩礫から大きさ1mm以下の放散虫化石を抽出。同化石は米国・テキサス州や岐阜県・高山市の福地地域の古生代シルル紀の地層から報告されている化石群集と同じ種を含んでいることから、同時代のものと判断された。
この礫岩からは、古生代シルル紀およびデボン紀の化石が見つかっていることから、同研究グループは、より古い時代の化石が発見される可能性もあるとしている。なお同礫岩は現在、フォッサマグナミュージアムの第3展示室に展示されているという。