TISインテックグループのアグレックスは12月5日、青森県つがる市にニアショアBPO拠点として開所した「つがるセンター」を活用し、日本生命の保険契約申込に関わるバックオフィス業務を同日から行うことを発表した。同業務を通じ、アグレックスと青森県つがる市、日本生命は青森県津軽地方の雇用を創出し、地域活性化に寄与することを目指す。

3者による取り組みの概要

青森県の有効求人倍率は、全国平均1.4倍、東京都2.07倍に対し、1.12倍と東北6県の中で最も低い倍率である一方、労働力人口数は宮城県、福島県に次いで3番目に位置している。

アグレックスは、事業拡大に伴い人材確保面で優位な立地環境を求めており、企業誘致を推進する青森県・つがる市の意向が合致したことから、2016年4月につがる市の所有する施設内に「つがるセンター」を開所。両者は、周辺地域の住民を同センターで雇用し、就業機会の創出を通じて青森県、つがる市、その周辺の市町村の活性化を目指している。

一方、これまで日本生命の保険契約申込バックオフィス業務は仙台や関東に所在するセンターで行ってきたが、アグレックスからの地方創生を目指したつがるセンターへ業務運用移行の提案に対し、日本生命が賛同したことで今回の業務移行が実現した。

具体的には、日本生命の保険契約申込書のデータエントリーおよびイメージワークフローを構築し、最大処理件数2000件/日の処理を行う。つがるセンターを金融系業務を中心に取り扱うニアショアBPO拠点と位置付け、金融業界特有の業務知識やノウハウを有した人材を育成するほか、同センターを主軸に業務を手がけることで品質維持とコスト最適化の両面において、顧客ニーズに対応したサービスを実施。

また、業務量ピーク時には、つがるセンターだけでなく、仙台、関東など複数のセンターで対応できる柔軟な運用体制を構築し、安定的なサービス提供と事業継続性を確保する。さらに、イメージワークフローを構築し、日本生命内で契約書をデータ化して伝送することで、契約書原票移送による紛失・流出リスクを解消する。

将来的には、青森県出身の学生など若年層の受け皿としての役割を担うことで、地域社会とともに成長する企業を目指し、数年間で雇用の増員を予定している。