JR東日本はこのほど、同社として初の大型風車1基を羽越本線沿線に導入し、12月から稼働させると発表した。あわせて風力発電以外の再生可能エネルギーについても、積極的に導入を進める方針を示した。
今回導入した大型風車は日立製作所製で、タワーの高さが78m、ブレードの直径が86m。発電機定格出力は1,990kWで、年間想定発電量は一般家庭1,600世帯分に相当する5,800MWh。羽越本線道川~下浜間沿線の同社用地に設置され、「JR秋田下浜風力発電所」の名称で12月1日から運用を開始する。
風車のデザインは、秋田新幹線や北陸新幹線をデザインした奥山清行氏が代表を務める「KEN OKUYAMA DESIGN」が担当。地平線をテーマに、秋田の大自然を表すとともにJR東日本のコーポレートカラーでもある緑色と、秋田新幹線でも採用されている「JAPAN RED」の赤色をあしらい、同社が秋田で情熱的な力や新しい力を発揮するイメージを表現した。
運用開始後は、技術開発の途上にある、風車のブレードなどの異常を遠隔地で早期に検知するシステムの有効性をこの風車で検証するという。また、秋田市の「あきた次世代エネルギーパーク」にこの風車(風力発電所)を登録し、市内外からの見学者を受け入れる方針としている。
その他の再生可能エネルギーについても導入を進め、2018年4月には住友林業・住友大阪セメントと共同で取り組んでいる八戸での木質バイオマス発電が運転を開始する見込み。青森県内(八甲田北西地域)と岩手県内(大松倉山南部地域)では、地熱発電に向けた地表調査などを推進。太陽光発電にも従来より取り組んでおり、現在も福島県などで建設を推進する。稼働中のメガソーラーなどを含め、今年度末時点にはJR東日本の太陽光発電での総出力は約12,000kWになる予定だという。
その他、グループ会社のJR東日本エネルギー開発も風力発電や太陽光発電に向けた取組みを独自に推進している。