福岡市博多区の博多駅前2丁目交差点付近で発生した道路陥没事故に関して、福岡市が今後の復旧作業について発表した。通行再開の目標は11月14日とされた。

道路陥没事故が発生した博多駅前2丁目交差点付近の道路は全面通行止めに。流動化処理土による埋戻し作業が進められた

道路陥没事故は11月8日5時15分頃に発生。陥没箇所の地下では、福岡市地下鉄七隈線を天神南駅からJR博多駅まで延伸する工事が進められていた。福岡市交通局が発表した「地下鉄七隈線工事に伴う道路陥没事故について(第2報)」によれば、8日5時頃、トンネル内で出水を確認し、5時10分頃に博多口交差点から博多区役所南口交差点にかけての区間を全面通行止めとした直後、道路の陥没が始まったという。

陥没箇所は幅約27m、長さ約30m、深さ約15mまで広がり、周辺地域に避難勧告が出されたほか、JR博多駅新幹線のりばコンコースや博多バスターミナル、福岡空港国際線ターミナルなどの施設で停電が発生。下水管にも被害が及んだことから使用自粛を呼びかける事態となった。9日までに停電はすべて復旧し、下水道の使用自粛も解除されている。

事故の影響で、西鉄の一部路線バスにおいて迂回運行が行われたが、福岡市地下鉄空港線・箱崎線や山陽・九州新幹線、鹿児島本線などの鉄道への影響は少なく、9日もおおむね通常通り運行された。

事故が発生した8日以降、陥没箇所付近では夜間も作業が続けられている(写真は11月8・9日撮影)

陥没箇所では事故当日の8日午後から流動化処理土による埋戻し作業が始まり、夜を徹して緊急工事が続けられた。9日夕方には、地表面から-3mまで埋め戻されたという。10日以降は埋設物(NTT、電気、ガス、水道、下水道、再生水)の復旧、地表面までの埋戻し、道路舗装などを進め、11月14日の通行再開を目標に復旧作業が続けられる。